ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(Union des Grands Crus Bordeaux:UGCB)は2023年11月20日、「ヴィンテージ2020 トレード・テイスティング」を開催した。
当日は、東京都港区の八芳園を会場に、UGCBに加盟する85シャトーが集結。コロナ禍を経て、今年は4年ぶりに生産者も来日し、“当たり年”となった自慢のヴィンテージ2020をそれぞれ披露した。
今回は参加したシャトーの中から、ソーテルヌ地区のシャトー・ラフォリ・ペラゲ(Château Lafaurie-Peyraguey)を紹介する。
シャトー・ラフォリ・ペラゲとは
シャトー・ラフォリ・ペラゲは、世界3大貴腐ワインの産地として有名なソーテルヌにおいて、1618年より続く歴史あるシャトーだ。ソーテルヌは、フランス・ボルドー地方南東部のガロンヌ川左岸に位置する。
1855年にAOC(Appellation d’Origine Controlee、原産地管理呼称)ソーテルヌのプルミエ・クリュ(第1級)に格付けされ、2014年からはスイスの起業家シルヴィオ・デンツ氏がオーナーに。同じくデンツ氏がオーナーを務める、フランスのクリスタルガラス製品メーカー・ラリックのグループとなったことで、2018年にはシャトー内にラリックが手掛けるホテルもオープンした。
シャトー・ラフォリ・ペラゲのワイン
トレード・テイスティングでは、来日したセールスマネージャーのダヴィッド・オーノン(David ORNON)氏に話を伺った。
――おすすめのワインについて教えてください。
貴腐ワインの「シャトー・ラフォリ・ペラゲ」です。非常に生産本数が少なく、希少性が高いため、ヴィンテージ2020は完売してしまいましたが、毎年ディティールにこだわり、最良のバランスを考えてブレンドしています。デザートワインとしてだけではなく、チーズやセイボリー、魚料理など、ガストロノミーな食中酒として飲んでいただくのもおすすめです。
ワインの中身はもちろん、ボトルも最高品質です。ラリックのグループであることから、ガラス工芸作家ルネ・ラリックの彫刻が施された、美しいボトルデザインになっています。
――シャトーのこだわりは?
除草剤などを使わないオーガニック農法で、自然環境に配慮したワインづくりに取り組んでいます。現在も馬を使って土を耕作しているのですが、ここまで徹底しているところは少ないのではないでしょうか。もちろん、ぶどうを手摘みするなど、丁寧な手作業にもこだわっています。
こうしたこだわりから大量生産はできないため、生産本数も少なめですが、出会えたらとてもラッキーなレアなワインと言えます。
「シャトー・ラフォリ・ペラゲ2019」
タイプ:白、極甘口
品種:セミヨン93%、ソーヴィニヨン・ブラン7%
取り扱い先:ラリック公式オンラインショップ
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