ワイン・オブ・モルドバ・ジャパン(Wine of Moldova Japan:WoMJ)は2024年3月29日、日本国内におけるモルドバワインのプロモーション活動の立ち上げに伴い、東京會舘(東京都千代田区)で記者会見と記念レセプションを開催した。
当日の会見やレセプションパーティーの内容をもとに、モルドバのワインづくりの歴史やモルドバワインの魅力について紹介する。
ワイン・オブ・モルドバ・ジャパンとは
モルドバ共和国の外郭団体となるWoMJは、モルドバ産ワインを日本へ広めていくための活動拠点として設立された。
会見では、日本法人の名誉理事を務める在日モルドバ共和国大使館 特命全権大使のドゥミトル・ソコラン氏と代表理事の遠藤エレナ氏、同法人の理事でモルドバブドウ・ワイン協会代表を務めるシュテファン・ヤマンディ氏から活動の主旨について説明がなされた。
今後は、モルドバブドウ・ワイン協会、在日モルドバ共和国大使館、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)などと連携し、現地生産者と日本輸入業者とのビジネスマッチングを行うほか、日本国内におけるモルドバワインの価値向上や認識を広めるためのPR活動などに取り組んでいくという。
モルドバとワインづくりの深い関係
東ヨーロッパの内陸国であるモルドバは、肥沃な土壌を持ち、夏は暖かく冬は寒い大陸性気候で、ぶどうの栽培に適した地域だ。世界最古のワイン生産地としても有名で、紀元前3世紀ごろからワインづくりが始まっていたとされ、その歴史は実に5000年にも及ぶ。
中世のモルドバでは、「パハルニック」(「杯を持つ人」を意味する)という役職が置かれ、ワインセラーの管理だけでなく、ぶどう畑やワイン醸造の監督まで、ワインづくりに関する一連の工程に携わっていたという。当時からワインの専門家がいたと考えると、いかにワインづくりが盛んであったかがうかがえる。
モルドバワインの海外進出
ローマ時代からヨーロッパの王室で愛飲されるなど、高い人気を誇ってきたモルドバワイン。近年では、モルドバワインの国際的な認知度向上と共に、海外への進出も注目されている。
国が管轄する「ワイン・オブ・モルドバ」ブランドは、10年以上にわたって輸出を強化してきた。一時期はロシアによる禁輸危機により、輸出額が大きく落ち込んだものの、国を挙げてのワイン産業への取り組みや改革が功を成し、現在ではGDPの3.2%をワイン産業が占め、輸出農作物の16%がワインという目覚ましい発展を遂げている。
モルドバワインの日本での展開
モルドバワインの世界的な地位向上に伴い、ワインの製造・販売をさらに進めるため、モルドバ共和国は初の海外拠点を日本に設置することとなった。WoMJを通じて、日本市場でのモルドバワインの認知向上と販売促進を進めていく狙いだ。今後は、モルドバワインのPR活動に加え、ワインを通じた両国の文化的交流が育まれることを期待しているという。
WoMJの今後の活動や関連情報については、公式ウェブサイトやソーシャルメディア(SNS)にて随時発表される予定だ。