サントリーは2024年9月4日、同社田町オフィス11階のカフェ「HARBOR」(東京都港区)にて、新商品を含む日本ワインの試飲会を開催した。
試飲会では、同社ワイン本部日本ワイン部長の宮下弘至氏、ワイン本部シニアスペシャリストの柳原亮氏が登壇し、産地の異なる甲州ワインの解説とともに、これまでの甲州栽培の取り組みや挑戦について話があった。
第4回となる本記事では、同社登美の丘ワイナリーと、同園産のぶどうを100%使用した「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 甲州 2022」を紹介する。
歴史あるワイナリーの細やかな取り組み
登美の丘でぶどうづくりが始まったのは1909年(明治42年)のこと。サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県甲斐市)は100年以上の歴史を持つワイナリーだ。同ワイナリーはテロワールの個性を最大限に生かすため、25haの畑を50ほどの区画に分けている。各区画に適したぶどうが植えられ、ぶどうがより個性を発揮できるよう仕立て方法を選定するなど、細やかな管理をしている。
また、同ワイナリーでは、2025年9月に新醸造棟が稼働を開始する予定だ。新醸造棟には40台の小容量タンクが設置され、最適なタイミングで収穫したぶどうを区画ごとに仕込めるため、ぶどうの個性を十分に生かした多様な原酒をつくれる。
自園産100%の甲州でつくるワインがDWWAで高評価
「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 甲州」は、ワイナリーの魅力を強く押し出している「ワイナリー」シリーズに属する。登美の丘の自園産ぶどうを100%使った「登美の丘 甲州」は、国内外のワインコンクールでたびたび高評価を得ている。
一例として、「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards:DWWA)」での近年の受賞歴は以下の通りだ。
2017ヴィンテージ プラチナ賞(DWWA 2019、97pt)
2018ヴィンテージ 銀賞(DWWA 2020、92pt)
2019ヴィンテージ 銀賞(DWWA 2022、91pt)
2021ヴィンテージ プラチナ賞(DWWA 2023、97pt)
2022ヴィンテージ 金賞(DWWA 2024、95pt)
SUNTORY FROM FARM 登美の丘 甲州 2022
DWWA 2024で金賞を獲得した2022ヴィンテージは、2024年9月10日に発売されたばかり。比較的暖かな登美の丘で育った甲州ぶどうから、豊かな香りとコクのあるワインが生まれた。一部(9%)に樽も使用している。
◆SUNTORY FROM FARM 登美の丘 甲州 2022
色、タイプ:白、辛口
産地:山梨県(登美の丘ワイナリー)
ぶどう品種:甲州(自園産)100%
参考価格:5940円(税込)
次回の記事では、同社が満を持して世に送り出した、最高峰のフラッグシップワイン「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2022」について、DWWA 2024での快挙と、誕生に至るまでの同社の10年にわたる挑戦を紹介する。
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