コラム

シャトー・ラスコンブの2021ヴィンテージは ~UGCB「ヴィンテージ2021 トレード・テイスティング」レポート①

ボルドーの格付けシャトーを中心とした優良シャトーが参加している、生産者協会のユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(Union des Grands Crus Bordeaux:UGCB)。2024年11月18日には、東京都港区の八芳園でUGCBによる試飲会が開催され、来日した69シャトーの2021ヴィンテージがお披露目された。

今回は、試飲会に出展していたシャトーの中から、シャトー・ラスコンブ(Château Lascombes)で広報を担当しているカリーヌ・バルビエ(Karine Barbier)氏に伺った、シャトーや2021ヴィンテージについて紹介する。

カリーヌ・バルビエ氏

シャトー・ラスコンブとは

—―シャトー・ラスコンブについて教えてください。

シャトー・ラスコンブは、1855年のメドック格付けで第2級に格付けされたシャトーです。2022年からアメリカのローランス・ワイン・エステーツ(Lawrence Wine Estates)が所有しています。

私たちのワインの特徴は、丸みと滑らかさです。シャトー・ラスコンブでは、主にメルローとカベルネ・ソーヴィニヨン、そして少量のプティ・ヴェルドを栽培しています。現在は、主にメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを半々の割合でブレンドしたワインをつくっていますが、今後数年でカベルネ・ソーヴィニヨンの割合を増やそうとしています。

—―この2年間でどのような変化がありましたか?

この2年間での大きな変化の1つは、アクセル・ハインツ氏のワインメーカー就任です。彼はフランス人ですが、イタリアでスーパータスカンの代表格であるテヌータ・デル・オルネライア(Tenuta dell’ Ornellaia)のワインメーカーを17年ほど務めました。彼の目標は、シャトー・ラスコンブの品質を向上させ、マルゴーの中でトップクラスのワインをつくることです。シャトー・ラスコンブには素晴らしいテロワールがあるので、この挑戦を私たちはとても喜んでいます。

ぶどうの選別をさらに厳しく行い、グランヴァンの生産量を減らしてでも品質を向上させる予定です。これが、彼と行う大きな挑戦となります。

—―2021年はどんなヴィンテージでしょうか。

2021ヴィンテージは、非常に複雑なワインになりました。とても滑らかで、優雅で細やかなタンニンが特徴です。4~5年ほどで飲み頃を迎えますが、今でもかなりアプローチしやすいワインです。

—―日本のワインファンはどんな存在ですか?

皆さん、ワインについて非常に詳しいですね。とても良いことです。日本でもたくさんの方に、ラスコンブを知ってもらっています。ボルドーのワインを愛していて、ボルドーのことをよく知っている方が多いので、日本に来るのが楽しみです。

シャトー・ラスコンブのワイン

ここからは、会場でサービスされていたワインについて、バビエル氏のコメントを紹介する。

シャトー・ラスコンブ 2021

品種:カベルネ・ソーヴィニヨン55%、メルロー40%、プティ・ヴェルド5%
原産地呼称:AOCマルゴー
アルコール分:13.5%

このワインでは、メルローを40%ほど使用しています。私たちの畑は砂利質で、美しいメルローが育ちます。メルローがワインに丸みを与えており、飲んでみると非常に滑らかです。ラム肉や牛肉との相性が良く、シャトーでもラム肉などのお肉と一緒に提供することが多いです。私はチョコレートと合わせるのが好きですね。赤ワインとチョコレート、特にダークチョコレートとの組み合わせは、非常に良いペアリングだと思います。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ