コラム

パリスの審判50周年|ガーギッチ・ヒルズの5本を試飲【ALIVEテイスティング2026】

   

1976年の“パリスの審判(Judgment of Paris)”でカリフォルニアワインを世界に知らしめた立役者のひとりが、後にガーギッチ・ヒルズ・エステート(Grgich Hills Estate)を創設するマイク・ガーギッチだ。

パリスの審判50周年を迎える2026年、「カリフォルニアワインALIVEテイスティング」に同ワイナリーが出展。本記事では会場で試飲できた5本のワインを紹介する。

ガーギッチ・ヒルズ・エステートとパリスの審判

ガーギッチを語る上で欠かせないのが、1976年に行われた “パリスの審判”だ。フランスのトップクラスのワインとカリフォルニアワインのブラインドテイスティングが行われ、白ワイン・赤ワインともにトップに選ばれたのがカリフォルニア産となり、カリフォルニアワインの品質の高さを世界に知らしめるきっかけとなった。

白ワイン部門で1位に選ばれた「モンテレーナ・シャルドネ1973」を手がけた醸造家が、マイク・ガーギッチだ。彼は1977年、ナパ・ヴァレーに実業家のオースティン・ヒルとともにガーギッチ・ヒルズ・セラーズを設立した。

有機栽培を実践している自社畑のブドウのみを使用し、2003年以降は、全てのワインのラベルに「エステート・グロウン」と記載している。2007年には、エステートワイナリーとしての存在感を高めるために現在の名称に変更した。

ワインは、マイク・ガーギッチ氏の決まり文句である「From our vineyard to your glass, naturally.(畑から皆さんのグラスへ、あるがままに)」をそのまま体感できるエレガントなスタイル。ワインファンから信頼され続けているワイナリーだ。

出展されていた5本のワイン

いずれもガーギッチの“伝説”を実感できるような、5本のワインを紹介する。

会場でお話を伺ったのは、マヤ・イェラマズさん。ガーギッチでワインメーカーを務めているイヴォ・イェラマズの長女で、輸出とカリフォルニア市場のマネージャーを務めている。

シャルドネ エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2022

「キング・オブ・シャルドネ」と称されるマイク・ガーギッチが手掛けるフラグシップ・ワイン。

【マヤさんのコメント】

ヨーロッパ的な控えめで穏やかなスタイルが特徴です。バランスを重視した味わいとしっかりした酸を備え、アメリカ料理はもちろん、世界中のさまざまな料理と調和します。

ワイン名 Chardonnay Estate Grown Napa Valley 2022
産地 ナパ・ヴァレー
品種 シャルドネ100%
アルコール度数 14.1%
参考小売価格 10,500円(税別)

パリス・テイスティング コメモラティブ シャルドネ エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2022

パリスの審判への敬意を込めて造られたという、少量生産の特別なシャルドネ。マヤさんの特にお気に入りの一本とのこと。

【マヤさんのコメント】

パリスの審判50周年の節目に日本で取り扱われることを、私たちはとても喜んでいます。樹齢37年の古木から収穫した厳選ぶどうを使用し、フルボディでクリーミー、しっかりとしたストラクチャーが特徴です。シーフードはもちろん、リゾットなどリッチな料理と相性の良い一本です。

ワイン名 Paris Tasting Commemorative Chardonnay Estate Grown Napa Valley 2022
産地 ナパ・ヴァレー
品種 シャルドネ100%
アルコール度数 14.1%
参考小売価格 28,000円(税別)

フュメ・ブラン(ソーヴィニヨン・ブラン)エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2023

ガーギッチは、ロバート・モンダヴィの醸造責任者として、1968年に最初にリリースされた「フュメ・ブラン」の醸造を担当した人物でもある。樽を使いながらも重くならず、他のソーヴィニヨン・ブランとは一線を画すエレガントなスタイルが特徴だ。

【マヤさんのコメント】

ナパ南部の冷涼なカーネロスで育った白ぶどうから造られた、軽やかでクリスプなスタイルの白ワインです。いわゆる“カクテルワイン”として、イベントが始まる前に歩きながら飲むのもいいでしょう。サラダやシーフードと相性抜群。日本でも人気の高い一本です。

ワイン名 Fumé Blanc (Sauvignon Blanc) Estate Grown Napa Valley 2023
産地 ナパ・ヴァレー
品種 ソーヴィニヨン・ブラン100%
アルコール度数 12.5%
参考小売価格 7,700円(税別)

ジンファンデル エステート・グロウン 2019

今でこそジンファンデルは、クロアチアを起源とする品種だとDNA解析で明らかになっているが、クロアチア移民であるガーギッチは、そのずっと前から「祖父がつくっていたぶどうだ」と確信してジンファンデルを栽培していたことで知られている。

【マヤさんのコメント】

このジンファンデルは、ナパ北部の非常に暑い畑で育つため、アルコール度数が上がりすぎないよう早めに収穫しています。アルコール度数の上がりすぎを避け、食事と合うエレガントな味わいに仕上げるためです。バーベキューをはじめ、軽めの肉料理やピザとよく合います。

ワイン名 Zinfandel Estate Grown 2019
産地 ナパ・ヴァレー
品種 ジンファンデル、プティ・シラー
アルコール度数 14.7%
参考小売価格 7,900円(税別)

カベルネ・ソーヴィニヨン エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2021

ナパ・ヴァレーを代表する品種であるカベルネ・ソーヴィニヨン。ガーギッチらしいエレガントさが実感できるワインであり、人気と高い評価を受けている。

【マヤさんのコメント】

このカベルネ・ソーヴィニヨンは、2021年ヴィンテージの控えめで落ち着いたスタイルが特徴です。典型的なアメリカの濃厚なカベルネとは異なり、食事と合わせることを前提に造られています。ややフルボディ寄りで、しっかりした肉料理やシチュー、カレーなど力強い料理とよく合う、ボリューム感のある味わいです。

ワイン名 Cabernet Sauvignon Estate Grown Napa Valley 2021
産地 ナパ・ヴァレー
品種 カベルネ・ソーヴィニヨン 81%、メルロ 11%、プティ・ヴェルド 5%、カベルネ・フラン 3%
アルコール度数 14.1%
参考小売価格 16,500円(税別)

パリスの審判で名を知らしめたガーギッチのワイン。ナパ・ヴァレーのもたらす豊かな果実味を持ちながら、過熟を避け、食事との調和を重視するエレガントなスタイルのワインから、彼の哲学は半世紀が経った今も貫かれていること実感できた。

次回は、もうひとつの立役者、「スタッグスリープ・ワイナリー」を紹介する。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ