ジョッキになみなみと注いで、ゴクゴクと豪快に味わう――。まるでビールの飲み方のようだが、実はワインの新しい楽しみ方として、一部のお店で人気が出ているのだとか。
ジョッキに氷とワインを入れて楽しむ“ジョッキワイン”、ちょっと気分を変えてワインを楽しむ選択肢として、頭の片隅にでも置いておいてもらいたい。
冷やしておいしさアップ
ジョッキワインの楽しみ方は実にシンプル。ジョッキに氷を入れて、赤でも白でも、スパークリングでも、お好みのワインを注ぐだけだ。
安いワインでも冷やすことでおいしさがアップするらしく、比較的リーズナブルなワインでも楽しめるようになるかもしれない。
ボックス入りのワインを用意すれば、親しい仲間たちとワイワイ楽しむのにぴったりな飲み方かもしれない。また、今は冬なので“ジョッキワイン”には不向きかもしれないが、夏にはBBQやキャンプなど屋外でも楽しめそうだ。
また、最近ではジョッキワインを扱っているお店も増えている。全国チェーン店の魚民で取り扱いされているほか、武蔵小杉の行列ができる人気店「イタリアン酒場ナチュラ」などで味わうことができる。
「かちわりジョッキワイン」や「がぶのみジョッキワイン」など、お店によって呼ばれ方はさまざま。リーズナブルかつ気楽にワインを楽しむ方法として、男性にも女性にも人気のようだ。
ヨーロッパでも飲まれているジョッキワイン
このジョッキワイン、日本ではあまり一般的ではない飲み方だと思うが、オーストリアの東部にはジョッキでワインを飲む習慣があるそうだ。
ただし、どのワインでもジョッキで飲むわけではなく、ホイリゲ(HEURIGE)と呼ばれる酒場でだけ。ホイリゲとは、簡単な家庭料理とともに自家製ワインを出すお店のことだ。
250mlほどの小さなジョッキに、主に白ワインを入れて楽しむという。新酒の出来映えをジョッキで味わいながら、ジョッキ片手に持っていろいろな人とおしゃべりする社交用に役立っているようだ。
現在では観光スポットとしても人気となり、残念ながら自家製ワインを出さないお店でも、「ホイリゲ」を名乗っているという。もし本場のジョッキワインを飲みに行くときには、自家製ワインを出してくれる店を事前に下調べしておいた方がいいだろう。
アメリカでは缶入りのワインが人気になっていたりと、ワインの楽しみ方は広がりつつあるようだ。気分や食事、一緒に楽しむ仲間に合わせて、ワインの飲み方を変える時代になりつつあるのかもしれない。