安くてもおいしいワインに巡り会いたい――世界のワイン愛好家に共通する願いだ。そんなとき、皆さんは何を頼りにワインを選ぶだろう?
時にそれは、ワイン販売店の手書きのコメントかもしれない。それとも友人がSNSで勧めていたあの1本だろうか。あるいはラベル情報のみで勘を頼りに選ぶのが好きなチャレンジャーもいるだろう。
ひとつ信頼できそうな手掛かりになりそうなのが、「パーカーポイント」や「パリ農業コンクール金賞」などの受賞歴だ。ネットを含む多くのワイン販売店が、そうした客観的な指標を添えてくれている。
国際的なワイン評論家としてよくあがる名前が、ロバート・パーカー氏とヒュー・ジョンソン氏の両氏だ。
ロバート・パーカー氏はアメリカ人で、自身の著作のほか、ワインガイド『ワイン・アドヴォケイト』の設立者であり、基本的に100点満点の点数をもって評価する。
一方のヒュー・ジョンソン氏はイギリス人で、やはり著作はたくさんあるが、世界各国で出版される『ポケット・ワイン・ブック』の著者として知られる。こちらは五ツ星を満点とする星付け評価だ。
これらを含め、各国で読まれているワイン専門誌をいくつかご紹介しよう。
ワイン・アドヴォケイト
世界的に有名なワイン評論家、ロバート・パーカー氏の手掛けるワインガイド。公正・中立を守るために一切の広告や写真を掲載していない。
ワインの評価はパーカーのつけるポイント、いわゆるパーカーポイントで行われる。これにより世界中のワインの売れ筋が決まるといっても過言ではないほど、注目される評価だ。
ただし、2016年4月、パーカー氏自身はボルドーワインの評価を今後行わないことを表明した。今後はニール・マーティン氏がボルドーを担当することとなり、ワイン・アドヴォケイトのこれからが気になるところだ。
ポケット・ワイン・ブック
文庫本より少し背の高い、文字どおり「ポケット」サイズのワイン本。持ち歩きにちょうどよく、レストランなどでもスマートにワインの情報を調べられる。
毎年発行されているこの本には、産地・つくり手・ぶどうの種類などの情報が辞書スタイルでぎっしりと記されている。
ただし、ポケットサイズに多くの項目が並ぶため、載っているのは概要程度といったところだ。
ギド・アシェット
ワイン大国フランスの、最も歴史のあるワインガイド。ドメーヌやワイナリーの評価ではなく、最新ヴィンテージを評価するスタイル。
三ツ星を最高とする星付評価に加えて、審査員のおすすめ「ク・ド・クール」というハートマークもチェックしよう。
新しい生産者のワインも多く掲載され、フランスのワイン動向をチェックするのにも必須の一冊だ。
ガンベロ・ロッソ ヴィーニ・ディタリア
グルメ専門誌ガンベロ・ロッソのワイン版。
最高評価「トレ・ヴィッキエーリ」に選ばれるのは全4万5000本の中のたった400本程度。その中には、15ユーロ以下というコスパの高いワインも多く含まれる。
過去のヴィンテージ評価や生産者の情報など十分な情報量を携え、ワイン好きのみならず関係者には必携の一冊と言える。