スペイン産ワインの中には、瓶の周りに細い針金のようなもので作った網が掛けられたものがある。
“網タイツ”を履いているように見えるので、一部には「網タイツワイン」と呼ぶ向きもある。
なぜスペインワインは“網タイツ”をまとっているのだろうか。今回は、網タイツワインの謎についてまとめてみた。
なぜ“網タイツ”を掛けるのか
瓶の外側に掛けてある網には、どんな意味があるのだろうか。
網を掛ける理由としては、瓶の破損防止、吹きこぼれ防止、偽造防止、中身の詰め替え防止など、さまざまな狙いがあったと言われている。
ただ、過去には何かしらの意味があったのかもしれないが、梱包や配送の技術などが発達した現在では、先に挙げたような目的に網を用いる必要はない。
従って、スペインワインの“網タイツ”は、今では単なる装飾に過ぎないようだ。
高級そうに見える網タイツワインの実力は?
高価な果物と同じように、網掛けされているワインは、なんとなく高級に見える。実際に“網タイツ”を身にまとっているワインの価格はどうなっているのだろうか。
網タイツワインとして有名な「マルケス・デ・リスカル」は国内では2000円前後で販売されている。他の網タイツワインの価格を見ても、2000円前後のものが多く、そこまで高価というわけではない。
ただ、網タイツワインのラベルには「グランレゼルバ」や「レゼルバ」と記されていることが多い。「レゼルバ」は、赤ワインなら樽熟成12カ月以上を含む36カ月以上の熟成、白かロゼのワインなら樽熟成6カ月以上を含む24カ月以上は熟成している。「グランレゼルバ」になると、赤ワインなら樽熟成18カ月以上を含む60カ月以上の熟成、白かロゼのワインなら樽熟成6カ月以上を含む48カ月以上の熟成を経たことになる。しっかりと手間を掛けてつくったワインとは言えそうだ。
“網タイツ”は外して飲む? 外さずに飲む?
網タイツワインを購入して、いざ飲もうという段階になったら、ちょっと迷う人も多いのではないだろうか。“網タイツ”をどこまで取ればいいのか、全部外すべきなのかどうかと。
“網タイツ”の扱い方によって味が変わるわけでもなく、特別な作法があるわけでもないようだ。しかし、せっかくの“網タイツ”なのだから、コルクを覆う部分だけ外して飲むのがスマートだろう。実際、スペインのレストランなどでは、コルクの部分だけ外した状態で提供されるようだ。
手頃な値段であるにも関わらず、外見も中身も高級な網タイツワイン。「どのスペインワインを買おうかな」と迷ったときには、網タイツワインを選ぶのが無難かもしれない。