コラム

大切な人へのプレゼントや特別な時間を過ごす時に手に取りたい、スペイン産高級ワインの生産者 ~スペインワイン&フード商談会2020

スペイン大使館経済商務部は2020年10月27日、インポーター35社が参加する、プロ向け試飲会「スペインワイン&フード商談会2020」を八芳園(東京都港区)で開催した。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、例年よりも出展社数を減らし、入場者数に制限を設けるなど、万全の感染防止対策を取った上での開催となった。

今回は会場に集まった多数のワインの中から、3つの高級ワインの生産者を紹介する。どこから高級ワインに入るのかは人によって判断が異なるが、丁寧につくられたワインをリーズナブルな価格で楽しめるのが魅力のスペインワインにおいては、5000円以上のワインを基準に紹介していきたい。

クネ

1879年に設立され、スペインワインの銘醸地・リオハを中心にしたワインづくりを5世代にわたる家族経営で守っているクネ。国旗をモチーフとしたロゴの使用をスペイン王室から許可されているワイナリーだ。

名実ともにクネを代表するワインが、「インペリアル グラン・レセルバ」だ。このワインは、2013年にアメリカのワイン専門誌『Wine Spectator(ワインスペクテイター)』が選ぶトップ100ワインで、スペインワインとして初めてNo.1を獲得している。

クネは4つのワイナリーを所有しており、2000円以下のリーズナブルなワインから、1万円を超えるワインまで、ラインアップは幅広い。選ぶのに迷ってしまったら、リオハで初めてのシングル・ヴィンヤード(単一畑)ワイナリーとなる、コンティノのワインがおすすめだ。

リオハ・アラベサに位置する62haの畑で、状態の良いぶどうが収穫された時にのみ、「コンティノ」の名を冠するワインがつくられる。この畑で育った9種類の品種から、赤・白・ロゼワインがつくられている。

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ボデガス・ロダ

ワイナリーのオーナーを務めているのは、イベリアンコカ・コーラ社の取締役であるマリオ・ロットリャント氏。「スペイン最高のワインをつくりたい、自分の会社がつくったワインをレストランで楽しみたい」と、1991年にボデガス・ロダを設立した。高級ワイン産地であるリオハ地方の中でも、高い酸度で熟成向きの赤ワインができるリオハ・アルタを中心としたエリアでぶどうを栽培している。農薬の使用は極力避け、化学肥料は一切使用していない。

比較的新しいワイナリーだが、品質の高さが評価され、現在ではスペイン国内にある数多くの有名レストランのワインリストに採用されるワイナリーとなった。

ボデガス・ロダのワインは、最も手頃なものでも5000円ほど。輸入元である白井松新薬が、「スペイン最高のワイン」と表現する「CIRSION(シルシオン)」は、4万5000円(参考小売価格・税別)だ。いずれのワインも、著名なワイン雑誌やコンクールで高く評価されるなど、品質の高さはお墨付きだ。

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ボデガス・ラウル・ペレス

醸造家のラウル・ペレスは、イギリスのワイン専門誌『デキャンター』にて「スペインのエキサイティングなニュー・ウェーブ生産者10人」に選出され、アメリカの『ザ・ワイン・アドヴォケイト』誌のスペイン特集でも数々のワインが高得点を記録するなど、スペインを代表する醸造家の1人だ。

樽とステンレスタンクの両方の特徴を持つアンフォラ(ワインづくりが始まった当初から使われていた、粘土でできた素焼きの甕)で熟成された「アンフォラ・ゴデージョ」「アンフォラ・ティント」は、9000円(参考小売価格・税別)ほど。ラウル・ペレスは全てのワインを自らの手でつくるため、生産量が少ない。見つけたらすぐに手に入れた方が良いだろう。

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特別な時間のお供や自分へのご褒美、大切な人へのプレゼントの参考にしてみてはいかがだろうか。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ