サイゼリヤといえば、ワイン好きの間では1杯100円で飲めるグラスワインで有名だろう。サイゼリヤでイタリアンの気軽なおつまみと一緒にワインを楽しむことを「サイゼ飲み」と呼ばれるようにもなった。
このサイゼリヤ、実は店舗によってさらに多くのボトルワインがあるのをご存知だろうか? 今日はまことしやかにささやかれてきた「サイゼ“裏”ワインリスト」の存在について、ご紹介していこう。
グランドメニューのワイン
ファミリーレストランのワインといえば、赤・白それぞれ1種類しかないのが当たり前――そんな常識はサイゼリヤには通用しない。
サイゼリヤのグランドメニューには、グラス100円のハウスワインの他、約20種類のボトルメニューが載っている。しっかり重めの赤「キャンティ ルフィナ レゼルバ」から、辛口の白「ベルデッキオ」、赤の発泡「ランブルスコ セッコ」など、産地もトスカーナからヴェネト、マルケ、サルディーニャ、エミリア・ロマーニャ、プーリアという充実ぶりだ。
しかもそのうち4本はボトルで1080円(税込)というお財布に優しい値段だ。それ以外も2160円といったリーズナブルなワインが並ぶ。残ったワインは持ち帰りが可能なので、気軽にボトルワインを注文することができる。
また、品質保持・管理にも注力しているサイゼリヤ。状態にも最新の注意を払っているので、ワインの状態が気になる方にもおすすめだ。
噂の“裏”ワインリスト
さらに、サイゼリヤにはグランドメニュー以外の「ワインリスト」が存在する店がある。該当店舗はこちらのページから検索して調べてみよう。「取扱いメニュー」に「ワインが豊富」のマークがついた店舗には、”裏”ワインリストがあるはずだ。
“裏”ワインリストには、計50種類ほどのワインがオンリストされている。ドルチェット・ダルバやバローロなどの有名ワイン、デザートワインであるヴィンサント、かす取りブランデーのグラッパまでもがボトルで注文可能だ。
ワインを身近な存在に
サイゼリヤがここまでワインに力を入れるのには、理由がある。イタリアの食文化を日本に根付かせることに注力してきたサイゼリヤ。その一環として、ワインを非常に重要な存在として捉えているのだ。
ワインがあってこそのイタリア料理だが、日本の外食市場では、料理に比べワインの値段が相対的に高い。これを気軽に注文できる値段にして、ヨーロッパのように「ワインを飲みながら食事をすることを当たり前にしたい」との強い思いが、サイゼリヤのワインメニューに現れている。
そのため各ワインの価格は徹底して抑えられ、裏ワインリストの中で最も高いバローロ(7500円)は、他のレストランで注文すれば2万円を下回ることはないだろう。他のワインも、市場価格よりも割安な値段で注文できる。
グラスワイン100円という価格設定も、7500円のバローロも、食文化に対する熱い思いに根ざしている。
ただ単にワインの値段だけを真似する他のファミリーレストランが増えても、簡単に追随することができない確固とした企業理念がここにはある。