思わず手にしてしまいそうなかわいらしいラベルのワインを紹介する本シリーズ、今回は「アントニオ」と名付けられたかわいらしい牛が描かれたワインを紹介したいと思う。
世界を旅するアントニオ
雄牛の「アントニオ」は、「ベソ・デ・ヴィノ(Beso de Vino)」ブランドのワインラベルに描かれている。ベソ・デ・ヴィノはスペインのDOカリニェナでつくられるワインだ。
ベソ・デ・ヴィノのWebサイトでは、アントニオのことをワインに恋した雄牛で、ワインとともに世界を旅していると紹介している。
腰に手を当ててワイングラスを傾けるアントニオとハートが描かれた様は、まさに「ワインに恋した雄牛」。親しみを感じられるキャラクターだ。
ベソ・デ・ヴィノのワインは、世界各国で販売されていて、紹介されているとおり、アントニオは「ワインとともに世界を旅している」のだ。
アントニオのふるさとDOカリニェナとは?
アントニオの生みの親であるベソ・デ・ヴィノは、1997年にスペイン北部のアラゴン州に位置するワイン原産地DOカリニェナに創設された。良いぶどうを栽培し、高品質なワインをつくって海外販売に力を入れることを目標とするワイナリーだ。
DOカリニェナは、1932年に原産地呼称(DO:Denominacion de Origen)が認められた。当時はスペインワインの名産地として知られるリオハやヘレスと肩を並べるワイン生産地だった。しかし内戦が続き、リオハやヘレスに後れを取ってしまった。
1990年代に入り、ようやくワインづくりが活発になってきた。それに伴って品質の向上に取り組み、生産量や輸出量が増加。荒々しい印象のものを産出することから「maldito(いまいましい)」と表現されていたカリニェナの赤ワインだったが、アラゴン州原産のぶどう種・ガルナッチャなどの特徴を生かした品質の高いワインをつくるようになった。
アントニオと旅するワインのラインアップ
ベソ・デ・ヴィノは、「シラー&ガルナッチャ」「オールド・ヴァイン・ガルナッチャ」「マカベオ&シャルドネ」「ガルナッチャ・ロゼ」の他に、オーガニックワインやスパークリングワインをラインアップしている。
黒ベースのラベルに水色のラインと水色のスクリューキャップが目印の「シラー&ガルナッチャ」は、スパイスの香りと味わいを楽しめるワインで、さまざまな賞を獲得。有名なワイン評論家のロバート・パーカー氏が90点をつけたことがある。
赤のラインと赤のスクリューキャップが目印の「オールド・ヴァイン・ガルナッチャ」は、ANAの国際線で提供されたこともあるワインだ。ベリーの香りが豊かで飲みやすいワインで、やはり多くの賞を受賞している。樹齢40年ガルナチャを使用し、4カ月間オーク樽で熟成させている。
黄緑のラインと黄緑のスクリューキャップが目印の「マカベオ&シャルドネ」は樹齢20年以上のスペイン原産種マカベオを使用した辛口白ワイン。柑橘系の香りが豊かなワインだ。
ピンクのラインとピンクのスクリューキャップが目印の「ガルナッチャ・ロゼ」は樹齢20年以上のスペイン原産種マカベオを使用したフルーティーな辛口ロゼワインだ。
大手スーパーのイオンではどれも1000円前後で販売されており、コストパフォーマンスも高いと評価されている。「アントニオに魅せられた」というだけでなく、コスパの高いワインとしてベソ・デ・ヴィノのシリーズを楽しんでみてはどうだろうか。
ちなみにアントニオは、クリスマスやお正月など、イベントに合わせてちょっとした変身したバージョンのラベルもあるようだ。そんなアントニオを目にするのも楽しそうだ。