ワイン愛好家の一部で「大丸東京店で年に2回開かれるワインフェスティバルは、とにかくすごいらしい」と評判だ。また「ソムリエも身分を隠して押しかけ、あらゆるワインを試飲している」という噂もある。
何がそんなにすごいのか、ワインバザール編集部も大丸東京店で2017年10月11~17日に開催された「第92回 世界の酒とチーズフェスティバル」を取材してきた。
試飲できるワインは300種類以上!
取材して分かったのは、試飲できるワインがとにかく多く、ワイン愛好家にとって至福のひとときを過ごせるフェスだということだ。入場無料で試飲可能なワインがなんと300種類以上もあった。
国別に大きく分けられた会場内は、各インポーターのブースが所狭しと並び、インポーターの営業担当者やソムリエがワインの説明をしながらいろいろなワインをお薦めしてくれた。
ワインにはすべて値段も表示され、気に入ったワインの「配送カード」を最後にレジに持っていくと、会計と配送の手続きを1度にできる。
もちろん、ワインを買って持ち帰ることや、大丸東京店内のレストラン(※指定された数店舗のみ)に持ち込むことも可能だ。
また、試食や試飲コーナーでよくある「買わなければ悪いのでは」といった空気はあまりない。みんなが自由に各ブースをのぞき歩いて、お気に入りの1本を探している印象だった。中にはオープン直後から夕方近くまで、チーズをつまみつつ、とことん飲み回る「猛者」もいたようだ。
ギリシャ、モルドバ、ブルガリアなど、幅広いラインアップ
会場内は先述のとおり、大きく国別に分かれていた。通路側の目立つところにあったブースはギリシャ、モルドバ、ブルガリア、メキシコなど。今まで日本ではあまりなじみのない生産国が多かった。
また、クロアチアやイスラエル、レバノンといった国々のワインも幅広く試飲できた。
ちなみにソムリエ試験では、東京オリンピックを見据え日本ワインの出題範囲が倍増したという。世界の酒とチーズフェスティバルでも、さまざまな日本ワインが試せたのもうれしいところだ。
土着品種が注目度ナンバーワン
出店しているインポーターによると、昨今、各国・各地方にしかない土着品種に対する関心が高まっているという。
一時期までのヨーロッパ国際品種至上主義はいったん落ち着き、その土地ならではのワインづくりに関心を持つ消費者が増えているとのことだ。
確かに、どのブースもよく出るのは、その土地(=テロワール)に適した伝統のある土着品種という意見が多く見られた。
そういった品種でいかに優れたワインをつくるのか、国際的にも関心が集まっているように感じられた。