フランスの南部に広がるコート・デュ・ローヌ地方。これからしばらく、コート・デュ・ローヌの著名なワイナリーを取り上げていこうと思う。
今回取り上げるのはE.ギガル。半世紀ほどの間に、北ローヌ有数のワイン生産者へと上り詰めたつくり手だ。
そのワインづくりは、徹底した品質管理の下で行われる。どのクラスのワインでもファンを裏切らない。E.ギガルの魅力をご紹介していこう。
E.ギガルの歴史
わずか70年で急成長
E.ギガルの創業は1946年。創業者は、ローヌの老舗メゾン、ヴィダル・フルーリィにて14歳からワイン修行を積んできたエティエンヌ・ギガル氏だ。
1961年には息子のマルセル氏が事業継承。E.ギガルのビジネスを拡大していく。
1986年には、父を醸造家として育て上げたヴィダル・フルーリィを取得。1995年には名ドメーヌであったシャトー・ダンピュイ、そして2001年にはジャン・ルイ・グリッパとド・ヴァルーイという2つのドメーヌを手に入れた。
「三兄弟」と「コンドリュー」の優良畑
E.ギガルの名声は、「三兄弟」と呼ばれるコート・ロティの3つの優良単一畑と、コンドリュー地区の畑によって支えられている。
三兄弟と呼ばれる畑は、「ラ・ムーリーヌ」「ラ・ランドンヌ」、そして、かつてヴィダル・フルーリィが所有していた「ラ・テュルク」のことだ。
これらの素晴らしい畑たちと、ならびにコンドリュー地区の「ラ・ドリアーヌ」が今日のE.ギガルの地位を築いてきた。
E.ギガルは比較的新しい生産者ながら、瞬く間に、北ローヌの名門ポール・ジャブレやシャプティエを脅かすほどの存在となったのだ。
E.ギガルのワインづくりの特徴
コート・ロティは「焼きつく丘」という意味を持つ。その地形は急峻な斜面が多いが、この斜面にその名のとおり強い日差しが照りつける。
この丘に植えられているのが、シラーとヴィオニエだ。コート・ロティの三兄弟の畑では、シラー主体で栽培されており、ラ・ムーリーヌとラ・テュルクには少量のヴィオニエが補体としてブレンドされる。
これら三兄弟の畑で育ったぶどうは、新樽に入れられ40カ月以上もの間、熟成を重ねる。そのため、E.ギガルは樽のクオリティには絶対のこだわりを持ち、ついにシャトー・ダンピュイ内に樽工場を構えるに至った。
品質に妥協を許さないE.ギガルのワインには、リーズナブルなものから高級なものまで同一デザインのラベルがあしらわれる。
E.ギガルは、パーカーポイント100点を最も多く獲得しているワイナリーとしても知られるが、90点台後半のワインには日常的な価格のものがちらほら見られる。
E.ギガルのおすすめワイン
E.ギガルのワインは、1000円台~3000円台のものも多く、気軽に手に取ることができる。これらも選び抜かれた契約農家のぶどうが使われ、クオリティは非常に高い。
・コート・デュ・ローヌ
・ジゴンダス
・シャトー・ヌフ・デュ・パップ
・エルミタージュ
・コンドリュー
・シャトー・ダンピュイ
・ラ・ムーリーヌ
・ラ・ランドンヌ
・ラ・テュルク