2015年、イタリアでは天候に恵まれ、果実に少々酸味が足りないものの、ワイン用ブドウが豊作となった。質・量の両面で不作に苦しんだ2014年とは対照的な状況だ。
Wine-Searcherに掲載されたレポートによると、 2015年夏のイタリアは記録的な猛暑に見舞われたが、冬や春に土壌に蓄積した水分のおかげで、ぶどうの樹は周囲の高温にうまく適応した様子で、特に問題は見られなかった。猛暑の影響は、果実に少々酸味が足りず、それから醸造したワインはトロピカルな風味を持つきらいがあるという点にとどまる見通しだという。
ワイン用ぶどうの収穫は9月中旬から10月中旬にかけて行われた。9月末の時点におけるイタリア各地の収穫状況と予想は以下のとおり。
ヴェネト:収穫作業は順調に進行中。ぶどうの質については、ぶどう農家らは楽観視しているが、まだ太鼓判は押せないという。収穫量は前年よりも10%増となる見込み。
トレント:白ワイン用ぶどうの収穫は終わり、赤ワイン用ぶどうの収穫が進行中。白ぶどうは酸と成熟度のバランスが良く、長期熟成に耐えるポテンシャルもある。豊作だが、ぶどうの質についてはまだ判断できないとしている。
トスカーナ:収穫時の天候に恵まれれば、当たり年になると思われる。しかし最終な判断は、すべてのぶどうを実際に発酵させてみるまで待つ必要があるという。