ワインの長期熟成に適した温度が、寺田倉庫と山梨大学ワイン科学研究センターの共同研究で判明した。室温の異なる環境にワインを12カ月間保存し、年3回、成分の評価を行ったところ、熟成による味の広がりが最も進行したのは“14℃”の環境だったという。
ワインをどうやって保存すればよいか。ワインをより良い状態で保存するには、湿度や振動、光など、さまざまな要素が関わってくる。寺田倉庫と山梨大学ワイン科学研究センターは2015年11月7日、「日本ブドウ・ワイン学会2015年度上越大会」で、ワインの長期熟成に適した温度に関する共同研究を発表した。研究によれば、ワインの熟成効果で味に深みが増すのは“14℃”であるという。
今回の研究では、4℃、14℃、35℃、常温の4つの環境で赤・白それぞれのワインを保存し、12カ月間の経過を観察した。ソムリエによる官能検査も含め、年3回、成分や味の評価を行ったところ、熟成による味の広がりが最も進行したのは、14℃の環境でテラダワインセラーに保管していたものだった。
研究に参加した山梨大学ワイン科学研究センターは、1947年設立の日本で唯一、果実酒を専門に研究する機関だ。ぶどうの栽培からワインの醸造まで、最先端の科学技術を駆使して研究を進めている。一方の寺田倉庫は、保管や保存に関する事業を展開する企業。特に、1970年に開始したワインセラー事業は、温湿度を均一に保つ技術が高く評価されている。
自宅に貴重なワイン、長期保存をしたいワインがあるが、どう保存していいかわからない。そんな悩みを持つ人は、14℃を目安にした温度管理をぜひ試してみてほしい。もし、自宅で環境を整えるのが難しい場合は、寺田倉庫のレンタルワインセラー「CLOUD WINE CELLAR」などのサービスを利用するのもおすすめだ。