文京学院大学は2017年4月21日、同大学オリジナルのワイン「文京輪(ワ)イン」が、埼玉県ふじみ野市の「ふるさと納税寄附金」の返礼品に選ばれたと発表した。同大学人間学部コミュニケーション社会学科の学生が商品化を手掛けたもので、入間東部福祉会 三芳太陽の家が販売する「ふじみのサブレ」とセットで提供される。
「文京輪イン」の誕生は、同学科の中山智晴教授のゼミ生らが、東日本大震災後に福島県逢瀬町を訪れたことに始まる。逢瀬町は、「グリーンツーリズム」という自然や文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動の先進地で、2006年より宿泊実習やインターンシップを通じて文京学院大学と交流を図ってきた。
2011年の東日本大震災後、福島県の産業が風評被害や後継者問題に悩まされるようになり、同ゼミでは、学生たちによる野菜の代行販売や同県郡山市の菅野ブドウ園でぶどう栽培の支援を開始。2014年には、収穫したぶどうを使って同県内にあるワイン醸造所「ワイン工房あいづ」でオリジナルワインを醸造して商品化した。学生たちは、ぶどう栽培の支援の他にも、イベントでのワイン試飲などプロモーション活動にも積極的に取り組んでいるという。
ふじみ野市では今回、こうした活動に賛同し、復興支援への思いを込めて、「文京輪イン」を返礼品として採用。同市に1万円以上の寄附をした人に対し、「ふじみんサブレ」とセットで提供する。なお、埼玉県産以外のものが返礼品になるのは、同市ではこれが初となる。