メルシャンは2022年1月26日、日本ワイン「シャトー・メルシャン」の全ワイナリーで購入する電力を、100%再生可能エネルギーにすると発表した。同月よりこの取り組みを開始することで、工場の購入電力由来の温室効果ガス(GHG)排出量はゼロとなる。
シャトー・メルシャンは、前身となる大日本山梨葡萄酒会社の設立以来、140年以上にわたって国産ワインの草分け的存在として業界をリードしてきた。2014年からは農業・食品産業技術総合研究機構と共同研究を行い、遊休荒廃地をぶどう畑にすることが事業拡大に寄与し、さらには豊かな里地里山の環境を広げることにつながると明らかにしている。
メルシャンをはじめとするキリングループでは、2020年に「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、グループ全体の使用電力を2040年までに100%再生可能エネルギーにすることを表明している。「シャトー・メルシャン」のワイナリーで購入する電力の再生可能エネルギーへの転換は、こうした取り組みの一環となる。
対象となるのは、山梨県のシャトー・メルシャン勝沼ワイナリー、長野県のシャトー・メルシャン椀子ワイナリーとシャトー・メルシャン桔梗ヶ原ワイナリーだ。これら3つのワイナリーでグリーン電力証書を購入電力に組み合わせ、再生可能エネルギー100%を実現する。
なお、グリーン電力証書とは、風力や太陽光などによる再生可能エネルギー電力のGHG排出ゼロという環境付加価値を電力と分けて取り引きできるようにしたものだ。グリーン電力証書を購入した分の電力量が、再生可能エネルギーを使用したものとみなされ、購入代金は発電事業者の再生可能エネルギー設備導入や設備維持などに使用される。
メルシャンは、購入電力を再生可能エネルギー100%にすることで、よりサステナブルな日本ワインづくりを進める。また、地域や環境に貢献し、“日本を世界の銘醸地に”というビジョン実現を目指していく。