コラム

「まっこい梅酒」の魅力とは? ワインづくりにヒントを得た“特別な”梅酒

キリンホールディングスのグループ会社であるメルシャンは、国内最大手のワインメーカーだ。1877年に日本で最初に誕生したぶどう酒会社「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツに持ち、日本ワインのブランド「シャトー・メルシャン」をはじめとする、さまざまなワインを提供している。

今回は、そんなメルシャンが、ワインづくりの技術を生かして生産したという「まっこい(真っ濃い)梅酒」を紹介する。

旬の梅が織り成す深いコクが魅力の「まっこい梅酒」

「まっこい梅酒」は、和歌山県みなべ町産の完熟南高梅と、メルシャンがワインづくりで培ってきた技術が融合することで生み出された、“特別な”梅酒だ。2011年の誕生以来、デイリーに楽しめる梅酒として人気を集めており、2023年1月に中味とパッケージをリニューアルしている。新しくなった「まっこい梅酒」の味わいは、フルーティーかつ濃厚。飲んでみると、口の中に広がる深いコクに驚かされる。

この梅酒のおいしさの秘訣の1つが、完熟香が高まった収穫後期以降の「完熟南高梅」を使用していることだ。「完熟南高梅」は青梅と比較すると完熟であるがために身が柔らかく、生果での移送が難しいことから大部分が梅干しなどに加工されるにとどまり、用途拡大が産地の課題となっていた。そこでメルシャンは、青梅と完熟梅の香りについて比較し、完熟梅がモモやトロピカルフルーツのような完熟香を持つことに着目した。そして、さらなる調査によって、完熟香が収穫後に飛躍的に高まることを発見し、みなべ町の梅農家の協力のもと、「完熟南高梅」を生かして最旬の原料梅の“アロマ”を楽しむことができる梅酒を生み出したのだ。

ワインづくりの知見を生かした梅酒

まっこい梅酒のおいしさのもう1つの秘訣は、メルシャンが持つ独自の技術を駆使している点にある。まっこい梅酒は、「凍結完熟浸漬製法」でつくる原酒と、「豊潤たね熟製法」でつくった梅種原酒をブレンドしているが、これらの製法にこそ、梅酒のおいしさを最大限に引き出す秘密が隠されている。では、それぞれの製法について見ていこう。

凍結完熟浸漬製法

メルシャンの特許技術となる凍結完熟浸漬製法は、収穫した完熟梅を凍結することで、通常より浸漬期間を短くする方法だ。凍結した梅には、融解するときに組織が壊れることで、香りやうま味成分が多く溶け出すという性質がある。ここに着目し、凍結完熟浸漬製法を採用することで、フレッシュでフルーティーな味わいが実現した。

さらに、梅を凍結させるため、実が柔らかく腐りやすい完熟南高梅の生果を、和歌山県外で取り扱うことも可能になった。

豊潤たね熟製法

豊潤たね熟製法とは、梅の種だけをお酒に漬け、梅本来の甘い香りとうま味成分を引き出す製法だ。梅の種の中にある「仁(じん)」には、杏仁のような香り成分とうま味成分が多いという特徴がある。これを引き出すことで、華やかでコクのある味わいの梅酒を生み出すことに成功した。

メルシャンの思いが詰まった梅酒、その味わいは?

「ぶどうも梅も同じ農作物で、フルーツ。だからこそ、フルーツとしての梅のおいしさを伝えたい」というメルシャンの熱い思いが、テロワールにこだわり、香りを存分に引き出した梅酒を完成させた。そんな特別な一品「まっこい梅酒」を実際に飲んでみた。

多くの人が実感しているという「フルーティーで濃厚な味わい」が、梅酒を口に含んだ瞬間に感じられた。さらに、その先にワインを思わせる複雑な風味が広がっていることに驚かされた。これは、2つの製法でつくった原酒をブレンドしているからこそ出せる味わいで、ワインのアッサンブラージュに似た効用があるのだろう。他ではちょっと味わえない、特別な梅酒に大満足できた。赤ワインが好きな方はその濃厚さを、白ワインがお好みの方はフルーティーさをじっくり感じてみると面白いのではないだろうか。

メルシャンおすすめ! おいしい飲み方

まっこい梅酒の豊潤な味わいは、ロックでもカクテルでも楽しめる。ここでは、メルシャンがおすすめする、4つの飲み方を紹介する。

◆まっこい梅紅茶
・「まっこい梅酒」 120ml
・「キリン 午後の紅茶」ストレートティー 60ml
「まっこい梅酒」にストレートティーを加えたカクテル。「まっこい梅酒」に漂う杏仁の香りと紅茶の香りがベストマッチ。食前酒にもおすすめだ。

◆まっこい梅モーニ
・「まっこい梅酒」 60ml
・グレープフルーツジュース 60ml
・トニックウォーター 60ml
グレープフルーツの酸味と「まっこい梅酒」の甘みが絶妙なバランスで融合している。暑い日に、海辺やプールサイドで飲みたい、すっきりしたカクテルだ。

◆まっこい梅モヒート
・「まっこい梅酒」 60ml
・炭酸 120ml
・ライム、ミント お好みで
ライムの爽快感と「まっこい梅酒」の甘い香りが個性的なカクテル。すっきりした味わいで、フルーツとしての梅のポテンシャルも存分に感じられる。

◆ブラッディまっこい梅
・「まっこい梅酒」 120ml
・トマトジュース 60ml
トマトと梅の相性の良さに驚かされるカクテル。冷たく冷やして昼下がりにのんびり味わうのもおすすめだ。

ワインづくりで知られる、メルシャンが手掛けた「まっこい梅酒」。ワインと同じく、「まっこい梅酒」に使われる完熟南高梅の生産地みなべ町のテロワールと、梅の芳醇な香りを引き出すことにこだわった梅酒は、どこまでも豊かで甘く、爽やかな香りをまとっている。ぜひ一度、味わってみてはいかがだろうか。

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About the author /  KYOKO
KYOKO

出版社勤務を経てフリーランス編集ライターに。旅、グルメ、美容を中心に執筆や編集を行っている。大酒飲みで、旅先でご当地酒を飲むのが好き。最近はビオワインにハマリ中。