メルシャンは2022年12月22日、再生可能エネルギーによる事業運営を推進するため、2023年3月よりメルシャン藤沢工場(神奈川県藤沢市)で、PPAモデルによる太陽光発電電力を導入すると発表した。同工場は「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」「ビストロ」シリーズなどの主力デイリーワインをはじめ、新ブランドの「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ)」も生産しており、同社の商品全体の約9割を製造している。
同社は、2022年1月より日本ワイン「シャトー・メルシャン」の3ワイナリーで購入する電力を100%再生可能エネルギーに変更している。今回、環境省「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」の採択を受け、同社では初めてPPAモデルによる太陽光発電電力を導入する。これにより、年間約124tの温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、全体の使用電力の再生可能エネルギー比率を現状の約5%から約8%に向上させる。
具体的には、MCKBエネルギーサービスがPPA事業者となり、メルシャン藤沢工場に大容量の太陽光発電設備を設置する。そこで発電した電力をメルシャンが購入・活用する。同事業は、重油からガスへの燃料転換など、キリングループがMCKBエネルギーサービスの親会社である三菱商事クリーンエナジーと連携して進めるGHG削減に向けた取り組みの一環となる。
なお、新ブランドの「Mercian Wines」は、国内でボトリングすることで輸送時のGHG排出量を減らして環境負荷軽減に貢献するなど、バリューチェーン全体でGHG排出量の削減に取り組んでいる。
キリングループは今後、国際的な環境イニシアチブ「RE100」目標の早期達成を目指す。併せて、2050年までに大気中へのGHG排出が正味ゼロ状態となる「ネットゼロ」の実現に貢献するとしている。