メルシャンは2023年1月13日、同社が運営するシャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤードが、環境省による自然共生サイトの後期実証事業において、自然共生サイトの認定相当に選定されたことを発表した。
環境省は、2021年6月のG7サミットで合意した「G7 2030年 自然協約(G7 2030 Nature Compact)」に基づく「30by30」の目標を達成するため、自然共生サイトを認定する認定実証事業に取り組んでいる。自然共生サイトとは、民間や自治体などが所有する、生物多様性の保全が図られている地域のことで、2023年から国内認定制度の正式運用が開始される。
シャトー・メルシャンの椀子ヴィンヤードは、長野県上田市にある約29haの自社管理畑だ。メルローやシャルドネ、シラー、ソーヴィニヨン・ブランなど、8種類のぶどうを栽培している。
同社では、農研機構の協力の下、2014年から生態系調査を実施。調査を通じて、遊休荒廃地を垣根仕立・草生栽培のぶどう畑にすることで、良質で広大な草原を生み、環境省のレッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種を含む、多様な生態系を育むことが明らかになっている。
認定実証事業に参加した中では、椀子ヴィンヤードが事業として農産物を生産する唯一の畑となる。今回の認定について同社は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させるという「ネイチャー・ポジティブ」につながる事例として認められたと捉えている。