キング醸造は2024年9月17日、“幻のワイナリー”播州葡萄園の復活を目指して醸造した「稲美メルロー」を200本限定で発売した。応援購⼊サービス「Makuake」上で、同年11月15日まで販売する。
播州葡萄園は、明治政府の勧農政策の一環として、加古郡印南新村(現:兵庫県加古郡稲美町)で始まった国営のぶどう園だ。“ぶどう栽培とワイン醸造”を目指し、明治13年(1880年)にフランスから苗木を輸入して開園作業が始まり、明治20年には約30石のワイン生産に成功した。しかし、やがて経営難となり、明治29年に閉園された。
みりんや料理酒を手がけるキング醸造は、播州葡萄園と同じく稲美町で明治33年に創業。初代・大西猪太郎氏は、ぶどう酒の製造・販売にも挑戦したが、志半ばで断念してみりん一筋の人生を歩んだという。その思いを受け継ぎ、5代目となる大西和樹氏がワイン製造へのチャレンジを再スタートさせた。
約1000㎡の畑に200本のメルローを植え、日々試行錯誤しながらワインづくりに取り組んでいる。そのかいあって、「稲美メルロー」はソムリエなどから“ぶどうの持つフレッシュさを味わうのに適している”と評価されるまでになった。
これまでは地元のイベントやレセプションなどでのみ提供していたが、多くの人に楽しんでもらおうと、今回初めて一般向けに販売を開始。新鮮な風味を味わってもらうため、360mlのハーフボトルで提供する。価格は、同じ稲美町の蜂蜜を使った「パン・ド・エピス」とのセットで7000円~1万円(税込)となる。