Wine Spectatorが1999年1月に発表した「Wines of the Century(20世紀を代表するワイン)」。20世紀にリリースされた数多くのワインの中から、厳選された12本のワインを1本ずつ紹介していく。
Wine Spectatorに選び抜かれた12本とは、一体どんなワインなのだろうか。第4回となる今回は、ロマネ・コンティ 1937年を紹介していく。
「ロマネ・コンティ 1937年」はどんなワイン?
高級ワインとして広く知られている赤ワイン「ロマネ・コンティ」。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)が、フランス・ブルゴーニュ地方にあるヴォーヌ・ロマネ村に独占所有するぶどう畑で栽培したピノ・ノワールを使って生み出している。
1.8haほどのぶどう畑は、面積こそ広くはないがグラン・クリュ(特級)に格付けされている。収穫量が少ないのに加え、ぶどうの出来に応じて収穫量を減らすこともあり、ロマネ・コンティの生産量は非常に少ない。生産本数は年によって異なるが、数千本という規模だ。
そんなロマネ・コンティの中でも白眉とされるロマネ・コンティの1937年ヴィンテージ。この年はブルゴーニュ地方全体がぶどう栽培の環境に恵まれ、歴史的な“当たり年”になったという。
ワイン評論家のマイケル・ブロードベンド氏によると、ぶどうの生育期は晴れて暖かい日が続き、最後に雨が降りぶどう畑に潤いを与えたそうだ。
「ロマネ・コンティ 1937年」に対する評価
天候に恵まれた1937年のブルゴーニュ地方で、ロマネ・コンティは別格のワインを生んだ。Wine Spectatorは、そのフルーティーさやシルキーさに触れ、「1937年もののブルゴーニュ産の赤ワインを、このロマネ・コンティは吹き飛ばしてしまった」とその衝撃を表現している。
また、DRCの共同経営者の1人であるオベール・ド・ヴィレーヌ氏は、自身が生まれた年(1939年)よりも前につくられたロマネ・コンティ 1937年を「見習うべきワイン」としている。
「ロマネ・コンティ 1937年」にまつわるエピソード
2000年を超える歴史を持つというロマネ・コンティのぶどう畑。その歴史はローマ時代かから記録が残り、「ロマネ」という名称の由来はそこから来ている。
サン・ヴィヴァン修道院が所有する時代が長く続き、18世紀半ばにはブルボン=コンティ家のルイ・フランソワ王子が畑のオーナーとなった。しかし、フランス革命の影響を受け、所有者はその後も転々とすることとなる。
「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)」としてのワインづくりが始まったのは、1869年にジャック=マリー・デュヴォー=ブロシェ氏がロマネ・コンティの畑を買い取ってからだ。
1942年にドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティは会社形態となった。1937年のラベルには、当時の経営者であったエドモン・ド・ヴィレーヌ(オベール・ド・ヴィレーヌ氏の父)とジャック・シャンボン氏の名前が入っている。
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