本日、2月14日はバレンタインデー。今日は少しだけワインの話から離れて、恋人・夫婦・家族にまつわる興味深い情報を紹介しよう。
「同じ時間を過ごすうちに、夫婦・カップルは似てくる」と言われることがある。この説が本当かどうか、味や匂いの好みについて、ポーランドのヴロツワフ大学とドイツのドレスデン工科大学の研究チームが科学的に調査した。
調査の結果、共に過ごした時間が長いほど、夫婦・カップルの味や匂いの好みは似てくることが分かったそうだ。ただし、2人が幸福な関係を築けていると、なぜか少しだけ匂いの好みがズレている傾向があったという。
基本の5味、38種類の匂いについて、5点満点で評価
研究チームは、18~68歳の男女の夫婦・カップル100組を対象に調査した。交際期間3カ月のペアもいれば、540カ月(=丸45年)のペアもいた。
調査対象者は、調査前30分間ほど水以外は口にせず、タバコも禁止。そうして調査に参加し、バラ、ユーカリ、モモ、ハッカ、シナモン、ラベンダー、ハチミツ、コーヒー、皮革、コカコーラなど、38種類の匂いをそれぞれ5秒間嗅ぎ、その匂いが好きだったか嫌いだったか、5点満点で評価させた。
次に味覚については、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味をそれぞれ感じられる水が入ったスプレーボトルを用意。舌にスプレーを直接吹きかけた後、こちらも5点満点で好きか嫌いかを点数付けしてもらった。
そうして得られたデータを分析した結果、前述の結論を導き出したわけだ。
過去には、家族として共に過ごして何度も同じ食事を繰り返すうちに、同じタイプの食べ物を好むようになると分析した研究も登場している。同じような環境に身を置いて、長期間にわたって味覚・嗅覚に同じ刺激を受けているわけだから、味や匂いが似てくるというのは納得できる話だ。
ただ、幸せな夫婦・カップルに限ると、さほど幸せではない夫婦・カップルほど、匂いの好みが同じではなかったのはなぜだろうか。
研究チームは、過去に発表された遺伝子に関する研究結果に着目。匂いの好みが一致していると遺伝的に不利に働く可能性があること(味の好みについては当てはまらない)、遺伝子の相性が良くないと夫婦の幸福度は低くなる傾向があることを指摘した先行研究を紹介している。
いかがだったろうか。「ワインの味わいという点で好みは同じなんだけれど、香りについてはいつまで経っても好みがちょっとだけ違う」という夫婦・カップルは、幸せな関係を築けている証拠なのかもしれない。
あなたのパートナーと、ワインの味・香りに関する好みは一緒か、一緒でないか。この機会に1度、確かめてみるのはいかがだろうか。
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