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「ボルドーワイン大試飲・展示会」が2018年4月、東京・六本木ヒルズで開催された。
当日発表された「バリューボルドー2018」に選ばれた100本に加えて、ボルドーワインを取り扱うインポーター51社が選りすぐったボルドーワインを持ち寄り、ボルドーワインの多様性を実感できる展示会となった。
ワインバザールでは、同イベントに参加したインポーターに、おすすめのボルドーワインと、産地としてのボルドーの魅力を語ってもらった。
今回紹介するのは、ワインの小売店としてワイン愛好家には身近な存在のヴィノスやまざき。現地のワイナリーにも足を運んだという営業部の吉田幸代さんに伺った。
ヴィノスやまざきからは2本が「バリューボルドー2018」に選出
「ボルドーワイン大試飲・展示会」に向けてヴィノスやまざきが用意したのは、1480~2780円(税抜)のワイン12本。
そのうち次の2本が「バリューボルドー2018」に選ばれた。
ユニ・メドック ル・グランアート 2014(ミディアムボディ・赤、2380円/税抜)
ユニ・メドックとは、AOCメドック地域の農業協同組合のこと。約300軒の契約農家に細かく栽培方法を指導し、天気や状況によってその都度コンサルタントが指示を出すなど、徹底した管理の下、ぶどうを育成している。
さらに、多くの契約農家からぶどうを選べるという利点を生かし、その年の最も状態の良いぶどうを使用してつくられている。そのため、毎年安定した高品質なワインが出来上がる。
吉田さんは現地にて、「われわれはメドックの名に頼ることなく、グランヴァンに負けないワインをつくっていきたい」と語る頼もしいつくり手の声を聞いたそうだ。
口当たりはなめらかで、しかも程よいタンニンがあります。味わいは“これぞボルドー・メドックのお手本”と言えるぐらいのバランスのよさです。
ご自宅で、ローストビーフや柔らかく煮込んだ牛など、少しぜいたくなお料理に合わせて、ゆっくりとお楽しみ頂きたい1本です。甘辛い韓国風のタレで焼き肉と合わせてもおいしいです。
シャトー・レ・グラーヴ ブラン樽熟成 2016(コクのある辛口・白、2180円/税抜)
親子2代でワインづくりをを行っているというシャトー・レ・グラーヴ。フランスの有名グルメ雑誌「ゴ・エ・ミヨ」によるAOCコート地域のベストバリューコンテストで、450の蔵元の中から第2位に選ばれた実力の持ち主だという。
ワインづくりにすべての情熱をそそぎ込んで生み出すワインは、その思いどおりの深い味わいに仕上がっています。
ソーヴィニヨン・ブランを主体につくっていることから、青草やハーブなどの華やかな香りを持ち、軽い酸味と完熟したグレープフルーツなどの柑橘系の果実の甘味と、樽熟成による深みのある味わいがバランスよく感じられます。
初夏~梅雨のシーズンに白身の焼き魚にすだちを絞り、さっぱりした和食や天ぷらなど、和食に合わせてお楽しみいただきたい1本です。
また、バリューボルドーに選ばれなかったものの、樽熟成をしないシャトー・レ・グラーヴの白ワイン「シャトー・レ・グラーヴ ブラン(1480円/税抜)」も展示。来場者からは「この価格で、この味わいはすごい!」「華やかな香りもすごいし、万人受けしそうな味わいですね」「シャトー・レ・グラーヴ白樽熟成は通向きな気がします」といった声があがり、反応は上々だったそうだ。
他の産地では出せない特別さ
吉田さんはボルドーの魅力について、次のように語ってくれた。
ボルドーの魅力は、産地名のブランドだけではありません。長くワインをつくり続けた蔵元たちの歴史の積み重ねによる別格の味わいだと思っています。また、ゆっくりと進んだ熟成により、それぞれのワインが味わいの表情を変えるところも魅力です。
チリ、カリフォルニア、イタリアなどの強豪もひしめいています。例えばボルドーの赤ワインには、ブラックベリーやチェリー、樽熟成によるスパイスのニュアンスだけではなく、土や腐葉土といった深みのあるニュアンスが、香りや味わいでしっかりと表現されているものもあります。他の産地のワインには出せない特別さです。
すべてのワインファンに薦められるボルドー
“ワインが好き”な人の中には、ボルドーワインを熟知している人もいれば、幅広いボルドーワインの中から何を選んだらいいのか迷っている人もいるはずだ。
吉田さんは、ボルドーワイン愛好家にこそお薦めしたいのが、バリューボルドーだと語る。「格付けワインなどさまざまなランクのあるボルドーワインですが、ぜひ弊社のバリューボルドーをお試しいただき、蔵元の丁寧なつくりによる1本1本の味わいを感じていただきたいと思います」とのこと。
また、ボルドーワイン入門者には、「1度、ご自身の好きな雰囲気のワインをワインショップのスタッフへお伝えの上、お選びをさせていただき、お薦めの1本を召し上がってみていただきたいと思います。ワインの深い世界に触れられ、ワインの持つ新しい魅力が見つかるはずです」と、消費者と身近に接する機会の多いヴィノスやまざきらしいメッセージを送ってくれた。