フランスの生産者と日本のインポーターとをつなぐための合同試飲会「テイスティン・フランス」が2018年6月6日、東京・赤坂見附のホテルニューオータニで開催された。
フランスには星の数ほどのワインがあるが、日本に販路を持っているワイナリーは一部に過ぎず、そうしたワイナリーも日本ですべてのワインを販売しているわけではない。
「テイスティン・フランス」当日は、日本でのワイン販売拡大を希望する生産者など約40社が参加し、ワイン約300本が集合。インポーターとの“お見合い”に臨んだ。
当日出展したブースの中から、ワインバザールではルーション、アルザスのつくり手、そしてフランス各地でスパークリングワインを生産しているつくり手を紹介していきたい。
今回は、南仏ルーションのつくり手「ドメーヌ・ド・ヴェニュス」をご紹介しよう。
ドメーヌ・ド・ヴェニュス(Domaine de Venus)のワインの特徴
ドメーヌ・ド・ヴェニュスは、ラングドック地方よりさらに南のルーション地方にある。60を超える畑の区画を持ち、現在はオーガニックに全面転向中だ。
それぞれの畑は向きが異なり、テロワールも異なる。爽やか、エレガント、そして素朴で優しい南仏ワインを生産している。
ドメーヌ・ド・ヴェニュスのおすすめのワイン
ドメーヌ・ド・ヴェニュスの担当者、ジャン・フランソワさんにおすすめのワインを聞いた。
l’Effrontee
まず1本目は白ワイン。ビオディナミ農法で育てられたグルナッシュ、ヴェルメンティーノ、グルナッシュ・ブラン、マカベウといったぶどう品種を使ったワインだ。
ぶどうそれぞれの個性を最大限に生かし、エキゾチックなアロマとあふれる果実味が特徴。口当たりはすっきりとしていて、和の食卓をはじめ、さまざまな料理に合わせることができる。
よく冷やすと爽やかさが際立ち、温度が上がるとアロマティックになる魅力的なワインだ。
Tentations
2014年ヴィンテージのこちらは、コート・ド・ルーションAOCとして醸造。有機栽培のグルナッシュ、シラー、カリニャンをバランス良く組み合わせた。丁寧に手摘みし、オーク樽で12カ月熟成している。
ぶどうを大切に扱ってきたことが手に取るように分かる優しいワイン。果実味が豊かで、非常に飲みやすい。
Passions
こちらは同じ2014年ヴィンテージを、コート・ド・ルーション・ヴィラージュとして醸造。同じく有機栽培したグルナッシュ、シラー、カリニャンを使用している。
適度なタンニンとボリューム感が加わり、エネルギッシュなイメージ。グリルした赤肉や鴨などにも好相性だ。
質の良い味わいながら、フランス本国では17ユーロ(約2200円)程度で売られているそうで、そのコスパの良さにも注目したい。