コラム

全国から12店舗が優秀店に! 新体制による「カリフォルニアワイン バイ ザ グラス プロモーション」

カリフォルニアワイン協会(CWI)は、2019年4月1日~5月31日の2カ月間、さまざまなカリフォルニアワインをグラス単位で楽しめる「カリフォルニアワイン バイ ザ グラス プロモーション 2019」を開催した。

[関連記事]
「カリフォルニアワイン バイ ザ グラス プロモーション 2019」を全国で開催

プロモーション後、参加したレストランやバー、ホテルなど日本全国の190店から12店舗の優秀店が選出され、同年7月1日に授賞式が開催された。

全国の12店舗が優秀店に選出

審査は、期間中に任意の3週間以上、常時5種類以上のカリフォルニアワインをグラスで販売した全国190店のうち、期日内に実施報告を提出した店舗を対象に行われた。

「大規模なお店だけではなく、小さいけれどもこだわりを持ってカリフォルニアワインと向き合ったお店が評価されるようにしたい」という新代表らの意見もあり、店舗の規模ごとにカテゴリを2つに分けて審査が行われた。プロモーション用に日本国内で購入したカリフォルニアワインの本数を基準に、カテゴリごとに3店舗ずつを選出。さらに、1席当たりの仕入金額(税別)を基準として4店舗を選出し、合計10店舗が優秀店に選出された。

また、「グッドエクスペリエンス賞」として、カリフォルニアワインの魅力を伝えるための工夫や努力が評価された2店舗が選出されている。

【カテゴリA(ワインの仕入本数/30席未満の小規模)優秀店】
・赤坂 あじる亭Annesso(東京・赤坂) 1186本
・カモシヤ(愛知・名古屋) 961本
・ジム・ルーム(東京・銀座) 845本

【カテゴリB(ワインの仕入本数/30 席以上の中・大規模)優秀店】
・ウルフギャング・ステーキハウス 六本木店(東京・六本木) 2070本
・Lawry’s The Prime Rib, Ebisu(東京・恵比寿) 1245本
・ラ・ブリック(北海道・札幌) 604本

【カテゴリC(1席当たりのワイン仕入金額)優秀店】
・Ed.Parlor(東京・銀座、5席) 32万9908円/席
・こわん(石川・金沢、6席) 20万1960円/席
・Blue(東京・麻布十番、19席) 12万5961円/席
・ワイン蔵TOKYO(東京・新橋、30席) 9万4094円/席

【グッドエクスペリエンス賞】
・ワインスタンドPON!(埼玉・川越)
・honda 麻布十番(東京・麻布十番)

プロモーション期間中は、グラスワインをカリフォルニアワインに限定する店、品ぞろえを豊富にする店、フードメニューとのペアリングを重視してカリフォルニアワインを選んだ店、プレミアムワインや普段は飲めないワインを提供した店、産地ごとに飲み比べセットを展開した店など、各店舗でさまざまな戦略が見られたという。

例えば、グッドエクスペリエンス賞を受賞した「ワインスタンドPON!」では、期間中にカリフォルニアワインの特色やペアリングの情報などを写真とともに分かりやすく発信した。代表の佐藤かな子さんは、「小さなお店なので、できることは限られたが、自分自身も楽しみながら投稿していた」と語っている。

新体制で臨んだプロモーションの成果

25年目で初の全国展開へ

25年目という節目の年であり、カリフォルニアワイン協会が新代表を迎えてから初となる今回のプロモーション。覆面審査員の派遣ではなく、実施報告書の金額をベースとした評価を採用するなど、新体制の中で多くの変更点があった。

最も目立つ変化が、対象地域だ。これまで首都圏と関西圏のみで展開されていたプロモーションを全国へと広げた。地域別の参加店の内訳は、北海道・東北地方4店舗(2%)、関東・甲信越地方92店舗(48%)、中部地方17店舗(9%)、近畿地方41店舗(22%)、中国・四国地方8店舗(4%)、九州・沖縄地方28店舗(15%)。3割が新しい地域からの参加となり、地方の健闘が目立つ結果となった。

優秀店の選出には、カテゴリごとに首都圏・関西圏外から少なくとも1店舗が優秀店に選出される「地方特例」が設定され、カテゴリBの「ラ・ブリック」(北海道・札幌)が7位から繰り上げ選出となった。

カリフォルニアワイン協会の共同代表である手島孝大さん(写真後段・右側)は、「結果として地方からの申し込みも多く、いままで対象外だった地域からの喜びの声もあり、こちらもうれしくなった」とコメントしている。

同じく共同代表の扇谷まどかさん(写真後段・左側)は、「参加店から提出されたレポートを通じて、販促努力の様子が感じられた。ルールを一新し、変化が多かったなかで、カリフォルニアワインの販売促進にご協力いただいた」とプロモーションを振り返っている。

販売金額は仕入れベースで1億円近くに

授賞式では、アメリカ大使館農産物貿易事務所のモーガン・パーキンズ所長(写真前段・中央)がスピーチを行い、その中でプロモーション期間中の集計結果を公表した。

それによると、プロモーション期間中に販売されたカリフォルニアワインは3万4325本、仕入れベース(小売りではない)で 9697万9463円に相当するという。

実施報告の回収率が約7割にとどまったことを考えると、今回のプロモーションによってカリフォルニアワインの仕入れに使われた金額は、1億円を超えているかもしれない。

SNSキャンペーンなど新しい試みも

今回、新代表が新しくプロモーションに盛り込んだ内容に、お店だけではなく消費者も参加できるSNSキャンペーンがある。

このキャンペーンには、491人が参加。50人の当選者の選出も終わり、現在は商品発送の準備中だ。初の試みというだけあって、当選確率は1割を超える結果となった。

また、期間中のハッシュタグへの投稿は、Instagramだけで2000件を超えたとのこと。スタンプラリーやくじではなく、応募者からの波及効果を期待してSNSキャンペーンを実施したとのことで、その狙いは当たったと言えるだろう。

キャンペーンについては、「もっと簡単に応募したい」という声もあったそうだ。就任してちょうど1年となる新代表らは、今年の経験や反省点を今後のプロモーションの企画・展開に生かしていくつもりだとコメントしている。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ