サントリーワインインターナショナルは、2020年1月21日に行われた「2020年事業方針説明会」で、ワインに使用されている720mlペットボトルをリサイクル素材100%に切り替えると発表した。
2019年5月に策定した「プラスチック基本方針」
サントリーグループでは、環境活動への取り組みとして、2019年5月31日に循環型かつ脱炭素社会への変革に向けた「プラスチック基本方針」を策定している。
これは、2030年までにグローバルで使用する全てのペットボトルを、リサイクルもしくは植物由来素材100%に切り替えることで、化石由来原料の新規使用ゼロを目指すというものだ。サントリーは企業理念として、「人と自然と響き合う」を掲げている。この取り組みを通じて、サステナビリティ(持続可能な)経営の推進につなげていきたい意向だ。
98%をリサイクルペットボトルへ
プラスチック基本方針にのっとり、今回発表されたのは、ワイン用の720mlペットボトルでの取り組みだ。2020年夏頃から、リサイクルペットボトルに順次切り替えていく。これは、ワイン業界初の取り組みとなる見通しだ。
サントリーには多数のペットボトル入りワインの商品があり、同社が取り扱うワインの約2割を占める。そのうちの大容量ボトルを除いた98%が、今後リサイクルペットボトルとなる。
また、サントリーで使用しているワイン用ペットボトルは、瓶と同様の酸素バリア性を持つ。価格を抑えられるだけでなく、軽い、割れにくいという利便性が、高い評価を受けている。軽いので、配送時のCO2削減につながるというメリットもある。
清涼飲料水に続き、ワイン用ペットボトルでもスタートを切ることについて、サントリーワインインターナショナルの宮下敏代表取締役社長は、「ワイン産業とは、環境に配慮した循環型の産業。少しでも環境配慮型の製品がつくれればと思っている」と語った。
ワイン用ペットボトルもリサイクル可能
化石由来原料が使われていない新ペットボトルには、サントリー独自の「PET to PET」のロゴマークが付けられる。
ワイン用のペットボトル、特に赤ワインのものは、リサイクルに出していいのかどうか分かりにくかった。ロゴによってリサイクルを呼び掛けるだけではなく、ワイン用ペットボトルもリサイクル可能だという認識が広がっていくことが期待される。