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新型コロナウイルスの影響で外出を自粛する人が多いなか、シャトー・メルシャンは「おうちで日本を楽しもう!プロジェクト」を始動させた。“家飲み”をする人に、ワインを身近に感じ、おうち時間をより楽しんでもらうことが狙いだ。
第1弾の「ライブ配信 in シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」(2020年3月25日)、第2弾の「ライブ配信 in シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー」(同年5月16日)に続き、同年6月5日には第3弾として「ライブ配信 in シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)ワイナリー」が実施された。ライブ配信には、前回と同じく、シャトー・メルシャン公式InstagramおよびFacebookが使用された。
「地域との共生」をテーマに、明るく楽しく
長野県上田市に位置する「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」は、地域住民とともにワイン文化の醸成、環境保全に力を注いでいる。また、地元の小学校に食農教育活動の場として「椀子ヴィンヤード」内の敷地の一部をジャガイモ畑として提供するなど、地域との関わりを大切にし、地域の活性化に貢献している。
こうした背景から、今回のライブ配信では、「地域との共生」をテーマに、ワインだけでなく地元の農産物や加工品なども紹介された。
出演した椀子ワイナリー長の小林さんと、ゲストである上田市役所丸子地域自治センター産業観光課の益滿さんからは、ワインと丸子地域への熱い思いや、楽しい雰囲気にしようという気配りが感じられ、とても親しみが持てるライブ配信となった。
「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」とは
椀子ワイナリーは、2003年に自社管理畑「椀子ヴィンヤード」としてスタートした。「椀子(まりこ)」という名前は、ヴィンヤードのある地域が、6世紀後半に欽明天皇の皇子である「椀子皇子」の領地だったという伝説に由来している。椀子ヴィンヤードは、粘土質の土壌で、標高650mに位置している。
2019年にワイナリーが設立され、ぶどう栽培から醸造、瓶詰めまでを一貫して行えるようになった。これにより、品質がさらに向上し、多様なワインの生産が可能になったという。
ワイナリーおすすめワイン
ライブ配信では、椀子ワイナリーのおすすめワインが紹介された。「シャトー・メルシャン 椀子シャルドネ 2019」「シャトー・メルシャン 椀子シラー ロゼ 2019」「シャトー・メルシャン 椀子オムニス 2016」の3種だ。
なお、2019年ヴィンテージは、ぶどう栽培から醸造、瓶詰めまでを椀子ワイナリーで行った、初のヴィンテージとなる。
初仕込みの2019ヴィンテージも紹介
「シャトー・メルシャン 椀子シャルドネ 2019」は、パイナップルやマンゴーの味わいを持ち、キレのある酸が特徴の白ワイン。「シャトー・メルシャン 椀子シラー ロゼ 2019」は、赤ワイン用のぶどう品種として人気のあるシラーを使用したロゼワインで、色調が濃い。椀子ワイナリーの設立により、ぶどう畑と醸造所が近くなったことで、品種ごとのより細かい醸造が可能になったという。“シラーのロゼ”と聞くと、重厚感のあるワインのように感じるが、非常に軽やかなワインに仕上がっているそうだ。小林さんによると、ホワイトペッパーのスパイシーさとブルーベリーの味わいを持つ「面白いロゼ」だという。
また、「シャトー・メルシャン 椀子 オムニス 2016」は、シャトー・メルシャン最高峰の「アイコン」シリーズのワインだ。カシスやブラックベリーの味わいを持つ、熟成タイプのワインとなっている。
“新しい日本ワインのスタンダード”を目指す「クオリティ」シリーズからは、「シャトー・メルシャン 萌黄 2018」「シャトー・メルシャン 藍茜 2016」を紹介。「シャトー・メルシャン 萌黄 2018」は、シャルドネと甲州を使用したワインで、パイナップルの味わいを持つ。「シャトー・メルシャン 藍茜 2016」は、メルローとマスカット・ベーリーAを使用したワインで、チャーミングな味わいを持ち、甘みのある料理やスイーツに合う。
「萌黄」と「藍茜」は、甲州やマスカット・ベーリーAという日本固有のぶどう品種を使用しており、日本料理との相性が良いという。どちらもJAL国際線のビジネスクラス提供ワインに採用された実績を持ち、コストパフォーマンスに優れたワインだ。
ワインに合う地元グルメ
ライブ配信では、ワインと相性の良い、丸子地域のグルメも紹介された。
上田市丸子農産物直売加工センター「あさつゆ」で販売されている「まるこの夢」は、丸子地域で栽培される西洋梨で、皮が薄いため皮ごと食べられる。生食で味わえるのは9月~2月だが、その他の時期もジャムやジュースで楽しめる。「あさつゆ」は、椀子ワイナリーから車で15分ほどの所にある。
続いては、「えだまめの会」のお弁当だ。「えだまめの会」は、お惣菜、お弁当の製造販売や仕出しを行っているグループ。地元の農産物を使ったお弁当やお惣菜は、全てメンバーが手作りしたもので、丸子地域のお母さんの味として親しまれている。椀子ワイナリーでも、ワインに合うお弁当を「えだまめの会」につくってもらい、予約販売している。「えだまめの会」のお惣菜やお弁当は「あさつゆ」でも購入できる。
さらに、地元の味噌を使用した焼き菓子「奏龍(なきりゅう)味噌フリアン」を手掛ける「パティスリー ルル」と、奏龍味噌を製造する「大桂(だいけい)商店」も紹介された。ともにワイナリーから車で5分~10分のところにある。
グルメの他にも、丸子地域の若手農業者グループ「HEARTBEATまるこ」が農業とワインの融合を目指して活動していることや、鹿教湯(かけゆ)温泉、霊泉寺(れいせんじ)温泉、大塩温泉などの温泉がある丸子地域は、昔から湯治場として親しまれていることが紹介された。
ぶどうの生育状況と今後の配信予定
配信の最後に、今年のぶどうの生育状況について、「生育は順調」との報告があった。
椀子ワイナリーは、これからも「自然」「地域」「未来」と共生しながらワインづくりにまい進していくという。ワイナリー長の小林さんは、「人の心の壁を取り払うようなワイン」「飲んだ人が、普段話せないようなことも素直に話せるような雰囲気づくりのできるワイン」をつくりたいと語っていた。
今回、「おうちで日本を楽しもう!プロジェクト」第3弾として、「ライブ配信 in シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」を実施したシャトー・メルシャン。今後も2020年6月末から9月初旬にかけて、バーチャルヴィンヤードツアーなど、日本ワインをより身近に感じてもらうための試みが予定されている。
<関連リンク>
「ライブ配信 in シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」