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スペイン大使館経済商務部は2020年10月27日、インポーター35社が参加する、プロ向け試飲会「スペインワイン&フード商談会2020」を八芳園(東京都港区)で開催した。今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、例年よりも出展社数を減らし、入場者数に制限を設けるなど、万全の感染防止対策を取った上での開催となった。
会場に集まった多数のワインの中から、注目のワインとその生産者を紹介する。
パゴ・ロス・バランシーネス
パゴ・ロス・バランシーネスは、ポルトガル国境と接するエクストレマドゥーラ州のDOリベラ・デル・グアディアーナにあるワイナリーだ。
最高のぶどうをワインにすることを第一に、自然農法にこだわって栽培したぶどうを使用している。
手作業で丁寧にぶどうを栽培するつくり手であることは、畑を見てもよく分かる。ぶどうの樹はゴブレ(株仕立て)で整枝されている。また、雑草とぶどうの樹を共存させるカバークロップを採用しており、昆虫や鳥などさまざまな生物の手を借りて、自然な形でぶどうの樹を維持していることが伝わってくる。
ただし、カバークロップは、ぶどうの樹の水分を雑草が奪ってしまう点がデメリットだ。バランシーネスではかんがいをしていないため、結果的に収穫できるぶどうの量は減ってしまうが、その分、より凝縮感のあるぶどうになる。
さらに、収穫は良い状態で収穫できるナイトハーベストを実施。
こうした、最高のワインをつくりたいという思いで働くワイナリーの人々の姿を、輸入元のパナバックは広告に取り入れている。
ワインづくりに対するバランシーネスの真面目さや勤勉さは、しっかりと報われているようだ。輸入するかどうかを決めるテイスティングの際、バナパックは、香りの高さや濃密な味わい、上質さを感じさせるバランスに感動させられたという。
おすすめのワイン
バランシーネスのワインは、スペインで最も権威のあるワインガイド「Guia Penin(ギア・ペニン)」でも高得点がつけられている。それぞれの得点とともに、ワインの特徴を見ていこう。
バランシーネス シャルドネ ヴィウラ 2018
6カ月間フレンチオーク樽で澱と一緒に熟成。心地よい香りとバランスの良い口当たりが特徴だ。
ギア・ペニン点数:92点
品種:シャルドネ50%、ヴィウラ50%
アルコール度数:13.0%
参考小売価格:2800円(税別)
アルナード 2018
「バランシーネス シャルドネ ヴィウラ 2018」よりもさらに長く、12カ月間フレンチオーク樽で熟成。凝縮感と複雑さが楽しめる、ふくよかなワインに仕上げている。
ギア・ペニン点数:93点
品種:シャルドネ100%
アルコール度数:13.5%
参考小売価格:4600円(税別)
バランシーネス ゴールド
9カ月間フレンチオーク樽で熟成させた1本。甘酸っぱい香りとしっかりとした果実味が味わえる。
ギア・ペニン点数:91点
品種:テンプラニージョ40%、ガルナッチャ・ティントレーラ40%、ガルナッチャ 20%
アルコール度数:14.0%
参考小売価格:2400円(税別)
バランシーネス ガルナッチャ・ティントレーラ ガルナッチャ 2016
12カ月間フレンチオーク樽で熟成させた後、瓶詰めした状態で12カ月熟成。酸味、果実味、タンニンのバランスを楽しめる。
ギア・ペニン点数:92点
品種:ガルナッチャ50%、ガルナッチャ・ティントレーラ50%
アルコール度数:14.0%
参考小売価格:3200円(税別)
アラガン ガルナッチャ・ティントレーラ ガルナッチャ 2016
24カ月間フレンチオーク樽で熟成させた後に、瓶詰めしてさらに24カ月熟成。しっかりしたタンニンとまろやかな口当たりが魅力のワインだ。
ギア・ペニン点数:94点
品種:ガルナッチャ・ティントレーラ50%、テンプラニージョ50%
アルコール度数:14.0%
参考小売価格:4900円(税別)
バランシーネスのワインは、2021年1月に発売予定。ワイン専門店や百貨店、輸入元のパナバックのホームページなどから購入可能だ。