スペイン大使館経済商務部は2020年10月27日、インポーター35社が参加する、プロ向け試飲会「スペインワイン&フード商談会2020」を八芳園(東京都港区)で開催した。今年は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、例年よりも出展社数を減らし、入場者数に制限を設けるなど、万全の感染防止対策を取った上での開催となった。
会場に集まった多数のワインの中から、注目のワインとその生産者を紹介する。
クネ
1879年に設立されたクネ(C.V.N.E.)は、スペイン王室から国旗をモチーフとしたロゴの使用を許可されたワイナリーだ。5世代にわたる家族経営で、リオハワインの伝統を継承している。
クネのワイナリーは4つ。高級ワイン産地として知られるリオハにフラッグシップワインと同名の「インペリアル」、創業ワイナリーである「クネ」、最新鋭の設備を誇る「ビーニャ・レアル」、リオハ初のシングル・ヴィンヤード(単一畑)ワイナリー「コンティノ」だ。そのほか、赤ワインの銘醸地リベラ・デル・ドゥエロで「ベラ」、プリオラートでは「クロス・モガドール」など、さまざまな産地でテロワールの違いを表現したワインを生み出している。2017年6月には、カバ生産者の名門ロジャーグラートが傘下に入り、クネはさらに発展し続けている。
クネのおすすめワイン
エレガントな果実味やきれいな酸が味わえ、食事にも合わせやすいクネのワイン。主要な百貨店やラグジュアリーなスーパー、ネットショップなどで比較的手に入りやすいのも魅力だ。そして、クネの赤ワインの多くが、パーカーポイントで90点以上の高得点を記録している。
ここでは、クネ初心者にぜひ飲んでもらいたいワインを紹介する。
インペリアル グラン・レセルバ
名実ともにクネを代表するワインが、「インペリアル グラン・レセルバ」だ。高級ワインの産地であるリオハの中でも、高い酸度を持つ熟成向きの赤ワインの産地として知られるリオハ・アルタでつくられている。フレンチオークの大樽で発酵し、アメリカンとフレンチオークの樽で24カ月熟成させた後、瓶内で36カ月熟成させている。
2004年にはフェリペ皇太子(現国王)の結婚式で、「インペリアル グラン・レセルバ1994」が、唯一の赤ワインとして提供されている。2013年には、アメリカのワイン専門誌『ワインスペクテイター』が選ぶ「Wine Spectator Top 100 Wines」で、スペインワインとして初めてNo.1を獲得した。
品種:テンプラニーリョ、グランシアーノ、マスエロ
産地:リオハ・アルタ
参考小売価格:8000円(税別)
クネ クリアンサ
輸入元である三国ワインのマーケティング担当者が、「リーズナブルだが値段以上だと100%お約束できる」と断言したワイン。樹齢30~40年の樹から収穫したぶどうを、アメリカンオーク樽で12カ月、瓶で6カ月熟成させてエレガントに仕上げたワイン。若々しいスパイスの香りとバランスの良い酸味が楽しめ、食事にも合わせやすい。
アメリカのワイン専門誌『ワインスペクテイター』にて、2016年ヴィンテージが「ベストバリューワイン」に選出されるなど、高い評価を受けている。
ローソンでは、ベストバリューワインに選出された2016年ヴィンテージが、より手軽に楽しめるスクリューキャップ版で発売中だ(2020年12月時点)。
品種:テンプラニーリョ、ガルナッチャ、マスエロ
産地:リオハ・アルタ
参考小売価格:1400円(税別)
クネ アラーノ オーガニック/テンプラニーリョ&ビウラ
2015年から日本限定で販売しているクネのカジュアルブランド 。2019年9月より、厳選されたオーガニックぶどうを使用したオーガニックワインにリニューアルされた。産地はスペインとなっているが、リオハまたはリオハ近郊の契約農家が栽培したぶどうを使用している 。赤はミディアムボディ、白は辛口に仕上げられており、どちらもきれいな味わいのワインだ。
特に赤ワインのテンプラニーリョは、「“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 2020(第7回サクラアワード2020)」でゴールドを受賞するなど数々の受賞歴があり、クネのコスパ最強ワインと言える。
品種:テンプラニーリョ(赤)、ビウラ(白)
産地:スペイン
参考小売価格:1120円(税別)