コラム

1882年創業! 伝統ある高級カバの生産者「ロジャーグラート」 ~スペインワイン&フード商談会2020

スペイン大使館経済商務部は2020年10月27日、インポーター35社が参加する、プロ向け試飲会「スペインワイン&フード商談会2020」を八芳園(東京都港区)で開催した。今年は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、例年よりも出展社数を減らし、入場者数に制限を設けるなど、万全の感染防止対策を取った上での開催となった。

会場に集まった多数のワインの中から、注目のワインとその生産者を紹介する。

ロジャーグラート

ロジャーグラートは、スペイン・カタルーニャ州のペネデスにある、1882年に創業した老舗のカバ生産者だ。長い歴史があるだけではなく、伝統的な製法を守り、こだわりを持って品質の高いカバを生産し続けている。

例えば、シャンパーニュでは1Lあたり平均1.7㎏のぶどうを使うのに対して、ロジャーグラートでは2.5㎏ものぶどうを使用。生産量は少なくなるが、妥協しないワインづくりをしている。

また、通常のカバに必要な熟成期間は9カ月だが、ロジャーグラートでは最短でも約18カ月、グラン・レゼルバでは48カ月と長期熟成を行っている。長く熟成することで、爽やかさと奥深い味わい、きめ細やかな泡立ちを兼ね備えたワインに仕上がるそうだ。ボトルには収穫年度のヴィンテージが記載されており、長期熟成による味わいをより実感しやすくなっている。

ロジャーグラートの特徴の1つである「長期熟成する力」をアピールするため、輸入元の三国ワインでは、グランドアンバサダーに長州力さん(長期熟成力=長熟力のダジャレ)を起用するなど、ユニークなプロモーションを行っている。

おすすめのワイン

輸入元である三国ワインが、20年にわたって手掛けているロジャーグラート。安定した品質が魅力のワインの中から、おすすめしたい3本のワインがこちらだ。

カバ グラン・レセルバ ジョセップ・ヴァイス

48カ月以上の熟成期間を経た、ロジャーグラートのトップキュベ。ワイン名の「ジョセップ・ヴァイス」は、ロジャーグラートで50年間にわたってカバをつくり続けた醸造家ジョセップ・ヴァイス氏への敬意を込めて、名付けられた。リーズナブルな価格帯で楽しめる、確かな品質のプレミアムカバだ。

品種:シャルドネ、チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ
参考小売価格:2830円(税別)

カバ ロゼ・ブリュット

鮮やかなルビー色が印象的な、華やかなカバ。10時間マセラシオン(浸漬)をすることで、赤い皮の豊かな果実味や心地よいタンニンも味わえるロゼワインになっている。熟成期間は18カ月。夜間の涼しいうちに収穫したぶどうを使用し、手間をかけてつくられた、ロジャーグラートの代名詞と呼ばれるワインだ。

品種:ガルナッチャ、モナストレル、ピノ・ノワール
参考小売価格:2130円(税別)

カバ コーラル ロゼ・ブリュット

スタンダードなロゼと比べて、ゴールドがかったピンク色が美しいロゼワイン。見た目の印象とは異なり、しっかりとしたアロマとボディ、骨格が感じられる。春先や女子会などにぴったりだが、それだけではもったいないと感じられる辛口のワインだ。

品種:ガルナッチャ、ピノ・ノワール
参考小売価格:2130円(税別)

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ