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カリフォルニアワイン協会(CWI)は2021年3月、毎年春に実施する「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション」に先立ち、「カリフォルニアワイン・スプリング・テイスティング 2021」を大阪(15日)と東京(17日)で開催した。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため規模を縮小し、医師の監修の下で万全の対策を講じた会場には、「ソノマ・カウンティ」をテーマ産地として、460品目を超えるワインが集まった。
今回は、会場に集まった多数のワインの中から、歴史ある名門ワイナリー、リッジ・ヴィンヤーズ(Ridge Vineyards)のソノマ産ワインを紹介する。
リッジ・ヴィンヤーズ
リッジ・ヴィンヤーズで47年もの間、醸造家を務めたポール・ドレーパー氏は、イギリスのワイン専門誌『デキャンター(Decanter)』にて、「醸造家が選ぶ最も尊敬する醸造家」トップ5に選ばれたこともある人物だ。ドレーパー氏は2016年に引退しているが、長年彼の下で経験を積んだ醸造家や栽培家が、そのレガシーを受け継いでいる。
1976年の「パリ・テイスティング(パリスの審判)」で、リッジ・ヴィンヤーズのワインが選出されたことは、カリフォルニアワインの質の高さを世界が知るきっかけとなった。以降、リッジ・ヴィンヤーズは、高品質のワインを安定して生み出すワイナリーとして、長年信頼されている。
ワインは天然酵母で発酵させ、マロラクティック発酵も天然の乳酸菌のみで行う。酸化防止のために使われる亜硫酸を可能な限り減らすなど、人為的介入を最小限に抑え、テロワールを表現することにこだわったワインづくりをしている。
リッジ・ヴィンヤーズのワイン
リッジ・ヴィンヤーズのワイナリーは、モンテベロとソノマにある。ジンファンデルを栽培するのになくてはならない場所、さらには南仏系のぶどうを育てるのに適した場所として、リッジ・ヴィンヤーズはソノマの畑と向き合っているという。
今回は、リッジ・ヴィンヤーズのソノマ産ワイン4本を紹介する。
リッジ ガイザーヴィル2017
樹齢50年以上のぶどうが60%を占めるという畑のジンファンデルを主体とした、エレガントなワイン。リッジ・ヴィンヤーズの代表銘柄の1つだ。酸味としなやかなボディ、しっかりとしたアルコール度数からくる甘やかさが感じられる、“女性的な”と表現したくなるワイン。
Ridge Geyserville 2017
品種:ジンファンデル68%、カリニャン18%、プティ・シラー12%、アリカンテ・ブーシェ2%
産地:アレキサンダー・バレー
アルコール度数:14.5%
参考小売価格:9680円(税込)
リッジ リットンスプリングス2017
「リッジ ガイザーヴィル」と共に、リッジ・ヴィンヤーズの代表銘柄の1つ。凝縮感としっかりとした骨格がある、“男性的な”という表現が合うワイン。こってりとした料理に合わせたときは口の中をリセットしてくれ、しっかりとした味わいの料理にも寄り添ってくれる、食事との相性が良い1本だ。
Ridge Lytton Springs 2017
品種:ジンファンデル74%、プティ・シラー15%、カリニャン9%、マタロ(ムールヴェドル)2%
産地:ドライ・クリーク・バレー
アルコール度数:14.8%
参考小売価格:9680円(税込)
リッジ ジンファンデル イーストベンチ2017
ジンファンデルの魅力が堪能できる1本。甘やかさと生き生きとした酸、柔らかなタンニンが非常にエレガントな印象を与える。コストパフォーマンスの高さも魅力だ。
Ridge Zinfandel East Bench 2017
品種:ジンファンデル100%
産地:ドライ・クリーク・バレー
アルコール度数:14.7%
参考小売価格:6600円(税込)
リッジ ペティト シラー リットン エステート2016
ブレンド品種として、スパイスのようにごく少量使われることが多いプティ(ペティト)・シラー。ガツンと来るタンニンやスパイシーさといった品種の魅力が、豊かな果実味と共に味わえる。ジビエ料理など他のワインでは負けてしまいそうな癖のある食事にも良く合うワイン。2016ヴィンテージは今も飲み頃だが、10年、20年後も楽しみな、ポテンシャルを秘めたワインだ。
Ridge Petite Sirah Lytton Estate 2016
品種:プティ・シラー100%
産地:ドライ・クリーク・バレー
アルコール度数:13.8%
参考小売価格:8580円(税込)