コラム

ウエスト・ソノマ・コーストで20年! 女性醸造家が手掛ける「フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー」 ~カリフォルニアワイン・スプリング・テイスティング 2021

カリフォルニアワイン協会(CWI)は2021年3月、毎年春に実施する「カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション」に先立ち、「カリフォルニアワイン・スプリング・テイスティング 2021」を大阪(15日)と東京(17日)で開催した。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため規模を縮小し、医師の監修の下で万全の対策を講じた会場には、「ソノマ・カウンティ」をテーマ産地として、460品目を超えるワインが集まった。

今回は、会場に集まった多数のワインの中から、ソノマで20年にわたってワインづくりをしているフリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー(Freeman Vineyard & Winery)のワインを紹介する。

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーは、2001年に家族で立ち上げたワイナリーだ。「小さい会社で小さくワインづくりをしているからこそ、ひとつひとつのワインに手間がかけられます」と、ワイナリーのオーナーであり醸造家のアキコ・フリーマンさんは語る。

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーのオーナーで、醸造家のアキコ・フリーマンさん

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーでは、有機農業で栽培されたピノ・ノワールやシャルドネを使ったエレガントなワインを手掛けている。目指しているのは、そのヴィンテージの気候でできた味わいを、そのまま表現すること。特にピノ・ノワールはとても素直で、その年にワインメーカーがしたこと、しなかったことを如実に語るという。「そのワインが語るものをそのまま届けたい」という思いで、ワインをつくっているそうだ。

フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーのワイン

涼風シャルドネ2018

2015年4月、当時のバラク・オバマ米大統領が安倍晋三首相を招いたホワイトハウス公式晩餐会にて、このワインの2013年ヴィンテージが供され、注目を集めた。

酸やミネラル、果実味のバランスが良くてうま味があり、特別な時間を楽しむのにぴったりのワインだ。

Ryo-fu Chardonnay 2018
品種:シャルドネ100%
産地:ロシアン・リバー・バレー(グリーン・バレー)
参考小売価格:8140円(税込)

ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2017

「チャーミングで飲みやすいワイン」とアキコさんが表現するワイン。色も濃く、かわいらしさの中にピノ・ノワールの個性が感じられる。

Pinot Noir Sonoma Coast 2017
品種:ピノ・ノワール100%
産地:ソノマ・コースト
参考小売価格:8470円(税込)

ユーキ・エステート・ピノ・ノワール 2016

アキコさんの甥っ子の名前が付いたヴィンヤードのピノ・ノワールを使用したワイン。ヴィンヤードがあるのは、ウエスト・ソノマ・コーストという、海に近く栽培が難しいエリアだ。量産はできないが、品質の高いぶどうができるという。「おいしいぶどうができないと、おいしいワインはできません。私たちの地域のワイナリーは、みんなそう考えています」と、アキコさんは語っている。

ミネラル感やだしに合ううま味があり、和食との相性が非常に良い1本だ。複雑なアロマと奥行きを持ち、長い余韻が楽しめる。

Yu-ki Estate Pinot Noir 2016
品種:ピノ・ノワール100%
産地:ソノマ・コースト
参考小売価格:1万1550円(税込)

ワインボトルの中に、テロワールやヴィンテージの特徴を閉じ込めるようなワインづくりをしているフリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー。栽培から醸造まで、丁寧に手掛けられたワインを、ぜひ一度味わってみてはいかがだろうか。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ