コラム

まるでシャンパンのようなデイリーワイン、「リステル」を深掘り解説!

「リステル」の愛称で親しまれる、「ペティアン・ド・リステル(Pétillant de Listel)」は、微炭酸の爽やかな刺激とフルーティーな喉越しが印象的なスパークリングワインだ。南フランスの地中海沿岸に広がる、広大な砂地畑のぶどうからつくられた、自然派ワインとしても知られる。この記事では、「リステル」の特徴やラインアップについて詳しく解説する。

スパークリングワイン「リステル」の特徴

微炭酸で上品な味わいからシャンパンと誤解されやすいが、「リステル」はスパークリングワインだ。まずはそのルーツや特徴を見ていこう。

南フランス生まれのスパークリングワイン

「リステル」を製造するドメーヌ・リステル(Domaine Listel)は、1883年に創業。南フランス・ラングドック地方モンペリエ近くの地中海沿岸に広大なぶどう園を所有し、ぶどう栽培からトータルでワインづくりを行っている。

海岸の砂地でぶどうを栽培するのは、世界的にも類を見ない珍しい試みと言える。実はこの地には、15世紀の初めにぶどうの樹が植えられた痕跡があったという。

そして1883年、この一帯に広大な土地を所有していたサラン・デュ・ミディが、1本のぶどうの樹を植えたことから、「リステル」の歴史が始まった。

自然派ワインと呼ばれるわけ

自然派ワインは、フランス語で「Vin nature(ヴァンナチュール)」。ヴァンナチュールには、オーガニックワインからビオワインまでさまざまな種類があるが、「リステル」もその1つだ。ドメーヌ・リステルのこだわりは、リュット・レゾネ農法(lutte raisonnee)、つまり減農薬栽培にある。

ドメーヌ・リステルは、ぶどうの栽培から醸造・瓶詰めまでを一貫して行う生産者だ。ドメーヌの強みは、生産者のこだわりを打ち出せるところにある。ドメーヌ・リステルでは、地域固有の自然環境保護を方針として掲げ、独自の自然農法を取り入れている。

ヨーロッパ最大とも言われる2000haの畑で、グルナッシュ、カリニャン、サンソーという3種類のぶどう品種をメインに栽培している。伝統的なぶどう栽培に取り組む一方で、最新のテクノロジーや設備を積極的に導入しているところがユニークだ。

除草剤などを極力使用せず、大量の微生物が土壌本来の成分を維持してぶどうの樹の栄養素となるとともに、樹そのものの抵抗力を高めている。

ドメーヌ・リステルの自然環境保護活動は、ワインづくりだけにとどまらない。野生動物の保護や、除草剤を使用する代わりに羊に雑草を食べさせるなど、環境全体のことを考えた活動も注目に値する。

1994年には、国際規格のISO9001認証を取得。ドメーヌ・リステルの環境に優しい取り組みは、酸化防止剤・保存料無添加の自然派ワインとなって、フランスのみならず世界で愛飲されている。

「リステル」の魅力

発泡するためシャンパンと勘違いされやすいが、「リステル」はスパークリングワインであり、シャンパンとは異なる。「リステル」の微炭酸について深掘りしつつ、その魅力を探ってみよう。

シャンパンとスパークリングワイン「リステル」の違い

「リステル」の正式名称は、「Pétillant de Listel」。「pétillant」の意味は「泡立つ、パチパチと跳ねる、きらめく」なので、製品名は「泡が跳ねる(微炭酸の)リステル」といった意味になる。

また、「リステル」のアルコール度数は4%前後。一般的なスパークリングワインのアルコール度数の11~12%と比べても、アルコール度数は低いと言えるだろう。ほのかな気泡の微炭酸からは、フルーティーな自然な甘さが香る。

ちなみにスパークリングワインとは、発泡ワイン全般を指す言葉。その中でも、フランスのシャンパーニュ地方で特定の製法に沿ってつくられたものだけがシャンパン(シャンパーニュ)と呼ばれる。この特別な製法によって、シャンパンは独自の地位を確立し、価格も高くなっている。イタリアのプロセッコやスペインのカバ(カヴァ)も、シャンパン同様、特定の産地で独自の規定をクリアしたスパークリングワインの名称だ。

シャンパンよりお手軽、「リステル」の楽しみ方は?

シャンパンと間違えてしまいそうな上質な泡と上品な味わいを持つ、「リステル」。アルコール度数が高く、価格帯も高価なシャンパンに対して、「リステル」は低アルコールかつ1500円前後の手頃な価格ながら、シャンパンとは異なる魅力を放つ。

「リステル」は、フルーティーなフレーバーのため、お酒に強くない人も飲みやすく、微炭酸が心地良いデザートワインとしても手軽に楽しめる。量販店でも手に入りやすいので、家飲みや1品持ち込みパーティーなどにもぴったりだ。

リステルのフルーツフレーバー7種を紹介

ドメーヌ・リステルの主力製品「ペティアン・ド・リステル」には、さまざまなフルーツフレーバーが用意されている。どれも、フルーツの甘みが印象的だ。

それぞれの特徴を紹介する。

ペティアン・ド・リステル グレープ

フレッシュなグレープが醸し出す、上品な天然の甘み。

参考小売価格:1500円(税別)
種類:白 ペティアン
品種:アイレン種主体
合う料理・目的:食前酒、デザートワインとして

ペティアン・ド・リステル 青リンゴ

最もポピュラーなフレーバー。青リンゴの香りと酸味ですっきりした喉越し。

参考小売価格:1500円(税別)
種類:白 ペティアン
品種:アイレン種主体
合う料理・目的:食前酒、デザートワインとして

ペティアン・ド・リステル ピーチ

フレッシュな甘みがクセになるピーチフレーバー。

参考小売価格:1500円(税別)
種類:白 ペティアン
品種:アイレン種主体
合う料理・目的:食前酒、デザートワインとして

ペティアン・ド・リステル フランボワーズ

フランボワーズ(ラズベリー)の甘酸っぱさが心地良い1本。

参考小売価格:1500円(税別)
種類:白 ペティアン
品種:アイレン種主体
合う料理・目的:食前酒、デザートワインとして

ペティアン・ド・リステル パイナップル&パッションフルーツ

カリブ海をコンセプトにしたエキゾチックな味わい。

参考小売価格:1500円(税別)
種類:白 ペティアン
品種:アイレン種主体
合う料理・目的:食前酒、デザートワインとして

ペティアン・ド・リステル ライチ&ピンクグレープフルーツ

アジアをコンセプトにした、ライチとピンクグレープフルーツ、夢のコラボ。

参考小売価格:1500円(税別)
種類:白 ペティアン
品種:アイレン種主体
合う料理・目的:食前酒、デザートワインとして

「リステル」の魅力とおすすめの利用シーン

最後に、「リステル」の魅力をまとめよう。

・シャンパンと間違えるほどの上品な泡と、天然の甘み
・保存料、酸化防止剤無添加の自然派ワイン
・アルコール度数4%以下の低アルコール
・微炭酸で軽やかな喉越し
・バラエティ豊かなフレーバー

飲むシチュエーションも、さまざまな場面が考えられる。

・おうちパーティーなどの気軽なギフトとして
・テーブルワインとして
・デザートワインとして
・シャンパンの代わりの微炭酸ワインとして
・家でのリラックスタイムに楽しむワインとして
・自分へのご褒美ワインとして

このように「リステル」は、さまざまなシチュエーションで頼りになるスパークリングワインだ。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
About the author /  tomoko

広告代理店を経て、フリーライター。得意ジャンルは、グルメ、IT、エンタメ、伝統芸能。