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ワインの新興国の中でも、特に新しい産地であるニュージーランド。栽培や醸造に先進的な技術を取り入れたワインづくりで、ワインファンからの信頼や人気を集めている。
今回はそんなニュージーランドを代表するワイナリーの中から、Invivo(インヴィーヴォ)を紹介する。印象的なロゴマークに、見覚えがあるという人も多いのではないだろうか。
友人同士が立ち上げたプレミアムワイナリー
インヴィーヴォは、当時30歳だったティム・ライトボーン氏とロブ・キャメロン氏が2007年に立ち上げたワイナリーだ。2人は高校時代からの同級生。ある日ロンドンのバーで、ワイナリーの立ち上げとワインづくりを楽しむことを決めたのだという。その時2人が話し合ったのは、いかに伝統的なワイン生産者が愛してやまない“無駄”を取り払い、より良いワインをつくるかについて。立ち上げ当初から、伝統にとらわれない革新的なワインづくりを目指していたのだ。
2008年に最初のワインをリリースしてからは、ソーヴィニヨン・ブランが世界中で数々の賞を受賞。あっという間に、世界から認められるプレミアムワインのつくり手となった。
伝統にこだわらない姿勢は、彼らのビジネス展開からも見て取れる。2015年には、ニュージーランドのワイナリーとして初めて、銀行からの資金借り入れではなく、クラウドファンディングで運営資金を獲得した。調達金額は募集期間満了を待たずに、ニュージーランド政府が定める最高金額200万NZドル(約1億6500万円)に到達したことからも、注目度の高さがうかがえる。
2016年には、テカウファタワイナリーというワイナリー施設を受け継いだ。テカウファタワイナリーは、1902年にニュージーランド政府によって建設されたもの。ニュージーランドで最も古いワイナリーであり、ニュージーランドで初めて国際的な賞を受賞したワインが誕生した場所でもある。
両氏によるワイナリーツアーの動画では、施設の様子を紹介している。
現在は、ニュージーランドの最大ワイン産地であるマールボロと世界最南端のワイン産地の1つであるセントラル・オタゴを中心にぶどうを栽培し、ワインを生産している。
キーワードは「ブランディング」
インヴィーヴォの印象的なロゴは、ニュージーランドの有名なファッション・ブランド「ザンベシ」がデザインしたロゴだ。船の羅針盤をイメージしたものだという。また、インヴィーヴォはラテン語で「In the life(人生において)」という意味だ。
2014年にはTVスターのグラハム・ノートン氏、2019年には有名女優のサラ・ジェシカ・パーカー氏とのコラボによるワインを発売。ワイナリー名が象徴するように、食事と合わせる飲み物という概念を飛び越えた、さまざまなライフスタイルに寄り添うワインというブランディングを確立している。
インヴィーヴォの受賞歴
インヴィーヴォを説明するのに、輝かしい受賞歴は避けて通れないだろう。2008年の初リリース直後から品質の高さで注目を集め、2009年、2010年には「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine and Spirits Competition:IWSC)」にて、2年連続でニュージーランド・ワイン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。
2010年にはソーヴィニヨン・ブランが、「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards:DWWA)」で世界トップ10ソーヴィニヨン・ブランに選ばれ、セントラル・オタゴのピノ・ノワールも、IWSCにてマスターオブワインが選ぶトップ3・イン・ザ・ワールドに選出された。それ以降も、日本の輸入元であるサザンクロスが「ヴィンテージごとにどんどん受賞しては更新していくので、正直追えておりません」と語るほど、数々のワインコンクールで受賞し続けている。
インヴィーヴォのおすすめワイン
インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー
「インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー」シリーズは、人気TVシリーズ 「セックス・アンド・ザ・シティ」の女優サラ・ジェシカ・パーカー氏とコラボしているブランドだ。パーカー氏の感性でテイストが追求されている。
「インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ソーヴィニヨン・ブラン」は、マールボロの5つのヴィンヤードで栽培されたぶどうを使用。ふくよかさやアロマティックさ、きれいな酸味、タイトな質感など、それぞれのヴィンヤードの特徴が感じられるワインをブレンドしている。初リリースとなった2019ヴィンテージから、ワイン専門誌『ワイン・スペクテイター(Wine Spectator)』誌の「Top 100 World’s Best Wines」に選出されるなど、数々の賞を受賞。2020ヴィンテージも、「ニューヨーク・インターナショナル・ワイン・コンペティション(New York International Wine Competition:NYIWC) 2021」にてゴールドメダルを獲得した。
2020年には、フランスのプロヴァンス地方で栽培されたサンソー、グルナッシュ、シラーを使用した2019ヴィンテージのロゼをリリース。こちらも、ソーヴィニヨン・ブランと共にNYIWC 2021でゴールドメダルを獲得している。
「インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ソーヴィニヨン ブラン」
Invivo X , Sarah Jessica Parker Sauvignon Blanc
産地:マールボロ
ヴィンヤード:ワイラウバレー、アワテレバレー
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
参考小売価格:2750円(税込)
「インヴィーヴォ X サラ・ジェシカ・パーカー ロゼ」
Invivo X , Sarah Jessica Parker Rosé
産地:プロヴァンス(フランス)
品種:サンソー47.5%、グルナッシュ47.5%、シラー5%
参考小売価格:2750円(税込)
インヴィーヴォ マールボロ ソーヴィニヨンブラン
インヴィーヴォを代表するワインの1つ。夜間に収穫することで豊かな酸を保ち、3週間かけてじっくりと発酵させて芳醇なアロマとテクスチャーを引き出している。ステンレスタンクでの熟成中は、10~12週間のバートナージュ(攪拌)をし、瓶詰め前に澱と共にしばらく寝かせることで、澱のうま味が感じられるワインに。厚みのある味わいが楽しめるソーヴィニヨン・ブランだ。
同ワインは、DWWA 2010にて、世界トップ10ソーヴィニヨン・ブランに選出。同年には、イギリスで行われた「Quality Drinks Award 2010」で、ホワイトワイン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。2020年にも『Winestate Magazine』にて、「インヴィーヴォ マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン 2020」がソーヴィニヨン・ブラン・オブ・ザ・イヤーに選出されるなど、安定して高い評価を受け続けている。
日本の食卓にも合わせやすいテイストや手に取りやすい価格帯も魅力的。同ラベルには、ホークス・ベイ産のシャルドネ、セントラル・オタゴ産のピノ・ノワールもある。
「インヴィーヴォ マールボロ ソーヴィニヨンブラン」
Invivo Marlborough Sauvignon Blanc
産地:マールボロ
ヴィンヤード:ダッシュウッド、アワテレバレー
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
参考小売価格:2420円(税込)
インヴィーヴォ マールボロ スパークリング ソーヴィニヨンブラン
スパークリング用に栽培されたソーヴィニヨン・ブランを使用。さっぱりとした爽快感のある辛口で、暑い夏にしっかり冷やして味わいたいスパークリングワインに仕上がっている。2016年には、『リアルワインガイド54号』(2016年)の「旨安スパークリング特集」にて、3000円以下の本当においしいスパークリングとして紹介された。
オイスター、オイルと白身魚を使った料理、柿の葉寿司などとの相性が良い。しっかりとしたアロマがあるので、屋外でのBBQでも重宝する1本だ。
「インヴィーヴォ マールボロ スパークリング ソーヴィニヨンブラン」
Invivo Marlborough Sparkling Sauvignon Blanc
産地:マールボロ
ヴィンヤード:ワイラウバレー
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
ヴィンテージ:NV
参考小売価格:2750円(税込)