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ワインの新興国の中でも、特に新しい産地であるニュージーランド。栽培や醸造に先進的な技術を取り入れたワインづくりで、ワインファンからの信頼や人気を集めている。
今回はそんなニュージーランドを代表するワイナリーの中から、デリゲッツ・ワイン・エステート(Delegat Wine Estate)を紹介する。
ニュージーランド最大のワインメーカー
デリゲッツ・ワイン・エステートは、ニュージーランド最大級のワイナリーだ。1947年に創業し、2世代60年にわたってデリゲッツ一家が所有している。「世界で最も売れるスーパープレミアムワインのつくり手」を目指して、果実のエレガントさと特徴が伝わるワインづくりを行っている。
また、サステナブルなワインづくりにも力を入れており、1997年に設立された「サステイナブル・ワイングローイング・ニュージーランド(Sustainable Winegrowing New Zealand:SWNZ)」の創設メンバーでもある。なお、現在では、ニュージーランドの約96%のヴィンヤードがこの認証を受けている。
デリゲッツ・ワイン・エステートの3つのブランド
デリゲッツ・ワイン・エステートで展開しているブランドは3つある。世界中にファンがおり、日本でもおなじみの「オイスターベイ」。2つの優れたぶどう栽培地からつくる「デリゲッツ」、そして、プレミアムな赤ワインが楽しめる「バロッサ・バレー・エステート」だ。
残念ながら、「オイスターベイ」以外は日本では入手困難。「オイスターベイ」のファンだという人は、海外で見つけたら手に取ってみてはいかがだろうか。
デリゲッツ・ワイン・エステートの産地
デリゲッツ・ワイン・エステートは、ニュージーランドのマールボロとホークスベイ、そしてオーストラリアのバロッサ・バレーに、約3400haのヴィンヤードを所有している。
ホークスベイは、ニュージーランドの北島にあり、3本の川が流れ込むホークス湾周辺の地域。ニュージーランドのワイン産地の中でも、年間の日照時間が長い地域の1つだ。ニュージーランドの赤ワインというと、ピノ・ノワールのイメージが強いが、この地域はカベルネ・ソーヴィニヨンなどのボルドー系品種の赤ワインや、シラーの産地として知られている。
もう1つの産地であるマールボロは、南島の東北部に位置するニュージーランド最大のワイン産地だ。水はけのよい土壌が特徴で、栽培するぶどうの8割がソーヴィニヨン・ブランとなっている。なお、マールボロでつくられたソーヴィニヨン・ブランは、「マールボロ・ソーヴィニヨン・ブラン」として、国際的に高い評価を受けている。
高品質なぶどうをつくるための重要な条件の1つに、寒暖差がある。ホークスベイとマールボロは、いずれも冷涼な地域で、ぶどうの生育期である夏(1月)には、日中と夜の寒暖差が大きいという特徴がある。そのため、この2つの地区は、優れたワインの産地となっている。
また、オーストラリアのバロッサ・バレーは、オーストラリアの代表的な品種シラーズの首都とも言われている産地。赤ワインで有名な地域で、オーストラリアの有名ワイナリーの多くが醸造所を構えている。
代表ブランド「オイスターベイ」とは
デリゲッツ・ワイン・エステートの代表ブランドである「オイスターベイ」。原産国のニュージーランドをはじめ、オーストラリアやイギリスでも人気が高い。
「オイスターベイ」という名前は、マールボロにあるカキ養殖が盛んな湾に由来する。その名前の通り、カキなどの魚介類と相性が良く、和食にもよく合う味わいで、日本でもおなじみのニュージーランドワインだ。
「オイスターベイ」は、1991年に、ロンドンで開催された「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition:IWSC)」で、ベスト・ソーヴィニヨン・ブラン賞を獲得。以降も、国内外から高い評価を受けている。
ニュージーランドのワイラウ・バレー(マールボロ)とホークスベイで栽培されたぶどうを使用しており、高品質なワインでありながら、リーズナブルな価格が魅力だ。
デリゲッツ・ワイン・エステートのおすすめワイン
オイスターベイ マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン
ニュージーランドを代表する品種のソーヴィニヨン・ブランを使用した、「オイスターベイ」を代表する1本。ニューヨーク、イギリス、オーストラリアで売り上げNo.1のワインとしても知られている。エレガントさと歯切れの良さが楽しめる辛口のワインで、パッションフルーツやトロピカルフルーツのようなフレッシュな香りと、鮮やかなレモンイエローの色合いも特徴的。
産地:マールボロ/ニュージーランド
品種:主にソーヴィニヨン・ブラン
参考小売価格:2690円(税別)
オイスターベイ スパークリング キュヴェ ブリュット
きめ細やかな泡が楽しめるスパークリングワイン。冷涼な地域で育ったシャルドネらしいキレのある酸やスッキリとした後味があり、繊細さやミネラル感も楽しめる。シャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)ではなく、タンク内で二次発酵させることで、ぶどうのアロマを生かした1本になっている。
産地:ホークスベイ/ニュージーランド
品種:シャルドネ 100%
参考小売価格:2580円(税別)
オイスターベイ ホークスベイ メルロー
ニュージーランドで最も暖かいワイン産地で栽培されたメルローを使用。ブラックベリーや熟したプラムを思わせる豊かな香りが特徴。熟成にフレンチオークを使用することで、複雑さもプラス。スパイシーで、柔らかなタンニンの感じられるワインに仕上げている。
品質の高さとコストパフォーマンスから高評価を得ており、2020年にはアメリカのワイン専門誌『ワインエンスージアスト(Wine Enthusiast)』が選ぶ「ベストバイ・トップ100(Top 100 Best Buys of 2020)」に選出。他にも、数々の受賞歴がある。
産地:ホークスベイ/ニュージーランド
品種:主にメルロー
参考小売価格:2690円(税別)
オイスターベイ マールボロ ピノ・ノワール
豊かな果実感とシルキーなタンニンが感じられる1本。豚肉やラム肉を使った料理との相性が良い。イギリスで開催された「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(International Wine Challenge:IWC) 2020」では、2019ヴィンテージが95ポイントを獲得してゴールドメダルを受賞している。
産地:マールボロ/ニュージーランド
品種:ピノ・ノワール 100%
参考小売価格:3050円(税別)
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