コラム

“古くて新しい”シャンパーニュメゾン ――サントリー「ローラン・ペリエ」ブランドセミナー(前編)

サントリー ワインカンパニーは2023年6月15日、東京・虎ノ門のThe Okura Tokyo(オークラ東京)にて、「ローラン・ペリエ」ブランドセミナーを開催した。

セミナーでは、ローラン・ペリエの現オーナーであるアレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール氏が登壇し、ローラン・ペリエの品質へのこだわりや、アレクサンドラ氏の名前を冠した「ローラン・ペリエ アレクサンドラ ロゼ」についてのエピソードを語った。また、同年12月に発売予定の2012ヴィンテージの紹介とテイスティングも行われた。

ローラン・ペリエの現オーナー、アレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール氏

前編となる本記事では、ローラン・ペリエを主要なシャンパンブランドへと躍進させた先代の革新的なシャンパーニュづくりと、ブランドを表す3つのスタイルについて紹介する。

“古くて新しい”メゾン

ローラン・ペリエの創業は1812年。200年以上の歴史を持つ、フランスの老舗シャンパーニュメゾンだ。

アレクサンドラ氏の父で先代のベルナール ドゥ ノナンクール氏は、1948年に28歳でメゾンを引き継いだ。その後、ブリュット・ノンヴィンテージのシャルドネ比率を当時では画期的な45%に高めたり、小型のステンレスタンクを導入して品種やクリュごとに管理したりと、革新的なシャンパンづくりに取り組んだ。また、シャンパンを食中酒として楽しんでもらうため、ドサージュ(補糖)の割合を減らす試みもしている。その結果、ローラン・ペリエは、ベルナール氏が継承した当時は主要シャンパンブランドで100位に甘んじていたが、40年ほどの間で4位にまで躍進することとなった(販売規模。参考:UNION DES MAISON DE CHAMPAGNE)。

このことからアレクサンドラ氏は、ローラン・ペリエを“古くて新しい”メゾンと表現している。

シャンパンづくりにおける3つのスタイル

アレクサンドラ氏によると、ローラン・ペリエには、シャンパンづくりにおける3つの明確なスタイルがある。

・ピュア
ぶどうの潜在能力を最大限に引き出すために、樽を使わずステンレスタンクで醸造している。

ステンレスタンクのイメージ(サントリー ワインカンパニー提供)

・フレッシュ
白亜質土壌を中心とするシャンパーニュ地方のテロワールを表現している。また、アッサンブラージュの際に加えるシャルドネがフレッシュさを支えている。

・エレガンス
ローラン・ペリエが追求するアッサンブラージュのバランスにより、繊細な味わいと美しい泡立ちを持つ、長期熟成が可能な高品質シャンパンが生まれる。

世界で愛されるシャンパン

ローラン・ペリエのシャンパンは、味わいの良さや品質の高さから、世界で高く評価され、愛されている。

世界で唯一のシャンパン専門誌『ファイン・シャンパーニュ・マガジン(FINE Champagne Magazine)』が実施した2021年のブラインドテイスティングでは、1000を超えるシャンパンの中から、ローラン・ペリエの2品がトップ10に選ばれた。2位に「ローラン・ペリエ グラン シエクル」が、9位に「同 ブラン・ド・ブラン」が入賞している。

また、ローラン・ペリエは、イギリス王室御用達のシャンパーニュメゾンとしても名高い。ローラン・ペリエのシャンパンを愛する現国王チャールズ3世は、皇太子時代に同社を訪問している。

後編の記事では、ローラン・ペリエの特別な1本ともいえる「ローラン・ペリエ アレクサンドラ ロゼ」にまつわるエピソードと、こだわりの製法を紹介。また、新ヴィンテージ発売についての情報をお知らせする。

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