コラム

フラッグシップワイン「登美 赤」が目指す味わい ――「SUNTORY FROM FARM」新ヴィンテージ つくり手が語る試飲会①

サントリーは2023年9月5日、TKPガーデンシティ浜松町(東京都港区)で、「『SUNTORY FROM FARM』新ヴィンテージ つくり手が語る試飲会」を開催した。

今回の試飲会では、同社 ワインカンパニー ワイナリーワイン事業部長の新村聡氏、同事業部 シニアスペシャリストの渡辺直樹氏、サントリー登美の丘ワイナリー栽培技師長 大山弘平氏が登壇し、ぶどう品種「プティ・ヴェルド」や産地「津軽」を通じて、世界に誇るワインづくりに挑戦するつくり手の取り組みが語られた。

第1回となる本記事では、新発売の「SUNTORY FROM FARM 登美 赤 2019」を中心に、フラッグシップワイン「登美 赤」において存在感が増しているプティ・ヴェルドについて紹介する。

好調の日本ワインブランド「SUNTORY FROM FARM」

「SUNTORY FROM FARM」は、同社が2022年9月に発表した日本ワインの新ブランドだ。同社が手掛ける日本ワインは世界的にも評価が高く、世界最大のワインコンテスト「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards) 2023」では、「登美の丘 甲州 2021」が日本ワインで唯一のプラチナ賞を、「ワインのみらい 立科町 甲州 冷涼地育ち2021」が金賞を獲得している。

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また、「日本ワインコンクール(Japan Wine Competition)2023」では「塩尻 マスカット・ベーリーA 2019」「津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング2020 グリーンエティケット」がいずれも金賞と部門最高賞を受賞している。

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同社は「FROM FARM(全ては畑から)」のコンセプトをもとに、日本ワインの魅力をユーザーに届けている。新村氏によると、2023年1~7月の同社日本ワインの売り上げは前年比123%の6億円で、好調だという(ワインカンパニー国内単体と岩の原葡萄園の合計)。

サントリー ワインカンパニー ワイナリーワイン事業部長の新村聡氏

フラッグシップワイン「SUNTORY FROM FARM 登美 赤」

ブランドのシンボルともいえる「登美 赤」には、世界が感動する高品質の赤ワインをつくり続けたいという、同社の思いが込められている。山梨県甲斐市の甲府盆地に位置する登美の丘で栽培したぶどうを使用し、自然な甘さと滑らかなタンニンに、凝縮感と柔らかさ、まろやかさを備える上品なワインを目指している。

存在感を増すプティ・ヴェルド

「登美 赤」の初ヴィンテージは1982年で、当時のぶどう品種構成比はカベルネ・ソーヴィニヨンが約90%、カベルネ・フランが約10%だった。その後メルローが70%近くを占めた時期もあったが、2010年あたりからプティ・ヴェルドが存在感を増し、2019年ヴィンテージではプティ・ヴェルドが68%、カベルネ・ソーヴィニヨンが27%、メルローが5%となっている。

新ヴィンテージ「SUNTORY FROM FARM 登美 赤 2019」を新発売

同社は2023年9月12日に、フラッグシップワイン「登美 赤」の新ヴィンテージとなる「登美 赤 2019」を数量限定で発売した。

ぶどう品種:プティ・ヴェルド68%、カベルネ・ソーヴィニヨン27%、メルロー5%
タイプ・味わい:赤・フルボディ
参考小売価格:1万6500円(税込)

ブラックベリーなどの黒い果実やホワイトペッパーのようなスパイスの香りが感じられる。口中では甘い香りとともに、凝縮した果実味が広がり、次第に豊かなタンニンとしっかりとした骨格が現れる。

次回の記事では、登美の丘におけるプティ・ヴェルドの歴史や、プティ・ヴェルドの良さを生かすための同社の取り組みを紹介する。

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