コラム

ボデガ・ボウサ|ウルグアイにおけるアルバリーニョの先駆者 ~モトックスを魅了したウルグアイのワインメーカー①

   

モトックスは2024年1月末から、同社としては24カ国目となるウルグアイワインの取り扱いを開始した。同年2月8日には、メディア向けにセミナーを開催。ウルグアイワインの解説と共に、4生産者11アイテムの中から6アイテムの試飲も行われた。

講師は、元ワインメーカーという経歴を持ち、現在はモトックスで南半球と日本のバイヤーを務めている内藤大氏だ。

講師を務めたバイヤーの内藤大氏

セミナーでは、なかなか日本では巡り合うことのない、南米の隠れた銘醸地ウルグアイのワインについて語られた。今回は、新しく取り扱いをスタートした、ボデガ・ボウサ(Bodega Bouza)について紹介する。

ボデガ・ボウサとは

ボデガ・ボウサは、スペインのガリシア地方にルーツを持つボウサ家が、1998年にぶどう畑を購入して始まったワイナリー。ワインメーカーのエドゥアルド・ボイド氏とタッグを組み、テロワールを反映させた最高品質のワインづくりを目指してきた。

2001年には、ガリシア地方が原産のアルバリーニョを、ウルグアイで最初に栽培している。アルバリーニョは、現在ではウルグアイを代表する白ぶどう品種となっている。また、手がけるワインは国内外で高い評価を受けており、1代でウルグアイのトップワインメーカーに上り詰めた。

ボデガ・ボウサの2本のワイン

今回、モトックスが輸入を開始したのは、2本のワインだ。どちらもセミナーで紹介され、ウルグアイを代表するワインであることがうかがえた。

ボウサ アルバリーニョ 2023

タイプ:白・辛口
産地:モンテビデオ県
ぶどう品種:アルバリーニョ100%
参考小売価格:4750円(税別)
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内藤氏より、「アルバリーニョを高級品種として育てていこうという意気込みを感じる」と紹介されたワイン。

ステンレスタンク90%とオーク樽10%を使用し、野生酵母で発酵している。酸を和らげるマロラクティック発酵(MLF)を経て、ステンレスタンクとフレンチオーク樽でそれぞれ4カ月熟成させている。

フレッシュさとクリスピーさが特徴のアルバリーニョは、ステンレスタンクのみを使用することが多いが、このワインはフレンチオーク樽も使用している。ステンレスタンクで発酵・熟成させると、苦味が出てしまうからだという。フレッシュな酸ときれいな果実味がアタックに感じられ、塩味を伴うミネラル感もあり、寿司や刺身と合わせたくなるワインだ。

セミナーでは、カーブドッチの「アルバリーニョ ルノー2022」と飲み比べが行われた。このワインは、ウルグアイと同様に雨が多い産地である山形県産のアルバリーニョを主体に、新潟県産のぶどうをブレンドして、ステンレスタンクのみでつくられている。2本のワインを飲み比べてみると、ボデガ・ボウサの方が暖かい気候のため、果実味や華やかさが感じられるワインとなっている。土壌や熟成方法の違いから、カーブドッチのワインはタイトな味わいだが、果実味の豊かな質感に共通点が感じられた。

ボウサ タナ 2021

タイプ:赤・フルボディ
産地:モンテビデオ県
ぶどう品種:タナ100%
参考小売価格:4900円(税別)
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「ウルグアイのクラシックなスタイルのタナ」と紹介されたワイン。タナという名はタンニンに由来するとも言われ、色が濃くタンニンを多く含む。そのタナを100%使用し、力強い黒系果実ときめ細やかなタンニン、樽がきれいになじんだバランスの良いワインに仕上げている。

アメリカンオーク樽とフレンチオーク樽(新樽率25%)を使用。フレンチオーク樽と比べて、アメリカンオーク樽はタンニンがなじみやすいのが特徴とのこと。セミナーでは、「赤身からハラミまで、肉によく合う」と紹介されていた。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ