ボルドーワイン委員会(CIVB)は2024年4月17日、東京都渋谷区の代官山 蔦屋書店で「Undiscovered 2024」を開催した。
同イベントは、ボルドーワインの知られざる魅力を伝えるために、CIVBが2024年に始めた新プロモーション「Re BORDEAUX」の第1回目となった。日本未輸入のボルドーワイン60種と、ボルドーワインの“今”を代表する厳選50種の試飲・商談会が開催され、ボルドーの各地区から6人の生産者も来日。自らのシャトーおよび地区のワインを披露した。
今回は、来日した生産者の中から、ドメーヌ・ファーブル(Domaines Fabre)を紹介する。
ドメーヌ・ファーブルとは
ドメーヌ・ファーブルは、フランス・ボルドー左岸のメドック地区において、オー・メドックとマルゴー村に畑を所有する。オー・メドックでは、歴史ある「シャトー・ラモット・シサック(Château Lamothe Cissac)」を中心にワインをつくり、その多くを直接海外に販売している。
2017年から、ジャン=ユベール・ファーブル氏が、家族と共同でドメーヌを管理している。ジャン=ユベール氏は、アメリカとカナダ、オーストラリアでぶどう栽培とワインづくりを学び、ぶどう栽培のコンサルティング会社での経験を持つ。
「強い個性を持つワイン」をテーマに、枠にとらわれない自由な発想によるワインづくりを実践している。また、生物多様性を尊重し、環境認証の取得や除草剤の廃止、生垣づくりなどにも積極的に取り組んでいる。
ドメーヌ・ファーブルのおすすめワイン
試飲・商談会では、来日したジャン=ユベール氏に話を伺った。
――どんなワイナリーですか?
私の祖父ガブリエルが、1964年にシャトー・ラモットを購入し、ワイナリーの歴史が始まりました。姉のメラニーと私は3世代目です。
姉がワインづくりに加わった2013年に、環境についての方針を決めました。その結果、2017年に所有する全ての畑でHVE(Haute Valeur Environnementale、環境価値重視)のレベル3を取得しています。
――おすすめのワインを教えてください。
「ファーブル・オン・ザ・ロックス(Fabre on the Rocks)」です。石灰岩が点在する土壌で栽培したぶどうを使っているので、「オン・ザ・ロックス」と名付けました。
現在のボルドーでは、あまり栽培されていないマルベックという品種のみを使い、コンクリート製のタンクで醸造しています。
――「ファーブル・オン・ザ・ロックス」はどんな味わいでしょうか。
酸味とフレッシュさが際立つ、軽くて飲みやすいワインです。軽めにつくることで、ワインを飲み慣れていない若者にアピールしたいと考えています。
一方で、フルーティーでスパイシーな香りと、しっかりした口当たりも感じられます。適温は12~13℃なので、軽く冷やして飲むのがおすすめ。アペリティフとして、または軽い料理に合わせて、屋外などで気軽に飲んでほしいです。
「ファーブル・オン・ザ・ロックス 2021」
タイプ:赤
品種:マルベック100%
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