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ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)は2024年4月18日、B to Bのブルゴーニュワイン試飲会「Bourgogne: The Winemakers’ Cut」を開催した。
ハイアットリージェンシー東京(東京都新宿区)を会場に開催した同試飲会では、12社のワイン生産者と23社のインポーターの計35社が製品の魅力をアピールした。
今回はその中から、ブルゴーニュを代表する銘醸地ニュイ・サン・ジョルジュのメゾン、エドゥアール・ドロネー(Edouard Delaunay)を紹介する。
エドゥアール・ドロネーとは
エドゥアール・ドロネーは、1893年に設立された家族経営のメゾン。設立以来、5世代にわたってブルゴーニュワインの発展に貢献してきた。
1940年代までドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)やリジェ・ベレールの販売業者として独占販売していたが、1990年代には有力メゾンのジャン・クロード・ボワセ(Jean Claude Boisset)に売却。2017年に、創業者のひ孫で5代目の現当主ローラン・ドロネー氏が買い戻し、メゾンの再建に成功した。
その後、世界最大規模のワインコンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(International Wine Challenge:IWC)2021」で年間最優秀白ワインメーカーを受賞するなど、多数の名だたるコンクールで高い評価を受け、近年のブルゴーニュを代表するメゾンの1つとなった。また、2024年5月に行われたフランスと中国の首脳会談でエドゥアール・ドロネーの「コルトン・シャルルマーニュ」が提供されるなど、フランス全土で注目が高まっている。
ローラン氏はさらに、2021年にドメーヌ・ド・ラベイ・デュ・プティ・カンシ(Domaine de l’Abbaye de Petit Quincy)のドミニック・グリュイエ氏と共に、シャブリの新ブランド「グラン・カルケール」を立ち上げるなど精力的に活動している。
エドゥアール・ドロネーのワインづくり
試飲会では、日本事務所代表の福島淳郎氏に話を伺った。
――メゾンの特徴について教えてください。
一度は売却してしまいましたが、2017年に現当主がメゾンとしての権利を取り戻して再建しました。ゼロからの再スタートでしたが、優れたテロワールから生み出されるワインは大変クオリティが高く、瞬く間にフランス国内にメゾンの名を広めました。
ラングドック地方でのワイン販売など、ローラン氏が他の地域で培った技術やノウハウをブルゴーニュに持ち帰り、生かしたのも成功の一因でしょう。
ブルゴーニュワインはつくり手の顔が重要視されますが、エドゥアール・ドロネーも再建後は家族経営のメゾンとしてしっかりと顔を認知されています。
エドゥアール・ドロネーのワインの素晴らしさは、フランスでは既に有名ですが、日本でもぜひ広く知ってもらいたいという思いで、今回出展しています。
おすすめワイン3本
ブルゴーニュ ピノ・ノワール セプタンブル
タイプ:赤
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
色は深みのあるチェリーレッド。チェリーやプラムなどの繊細でフルーティーな香りに、スミレ、ライラックのフローラルな香りがあり、その後にスパイシーさが加わる。活力があり、余韻が素晴らしい表現力豊かなワイン。
シャブリ グラン・カルケール
タイプ:白
ぶどう品種:シャルドネ100%
色は淡く美しいゴールド。春の花やレモンに繊細なスパイスのニュアンス、砂糖漬けのアーモンドなどのノートが加わり、味わいのアタックはフレッシュで爽やか。適度な余韻とミネラル感があり、後味はオレンジピールのような爽やかな苦味を持つ。
ニュイ・サン・ジョルジュ ル・ヴィラージュ
タイプ:赤
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
色はわずかに青みがかった濃い赤。お茶のアロマに、わずかにスモーキーな香りと青い果物やピンクジンジャーなどのスパイスが加わる。味わいのアタックはジンジャーブレッドやトーストにカシス、チョコレートなどが調和している。非常に複雑で表現力豊かなワインであるだけでなく、長期熟成のポテンシャルも持っている。
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