浅草(東京都台東区)では2025年2月3日~19日までの17日間、今年で5回目となる飲み歩きイベント「浅草観音裏 酔いの宵」が開催される。今回は、「酔いの宵」とはどんなイベントなのか、過去に参加して感じた“巡るコツ”などを解説する。
「酔いの宵」とは
「酔いの宵」とは、観音裏エリアの飲食店が参加し、1フードと1ドリンクの “せんトラ(1000円でトライアルできる)”セットを提供するイベントだ。
もちろんワインを提供しているお店だけではなく、ビールやハイボール、サワー、日本酒などのアルコール類、さらにノンアルコールやカフェメニューを提供しているお店もある。普段はワインを提供しているお店でも、せんトラセットではワインが入っていないこともあるので気を付けよう。
1フードは、人気の定番メニューから「酔いの宵」特別メニュー、各種盛り合わせまでさまざまだ。中には採算が取れているのか心配なお店もある。
▼せんトラセット例「林檎や」(第4回のもの)
開催地である観音裏エリアとは、浅草寺(観音様)よりも北のエリアのこと。言問通りより北のエリアを中心に、西側の花やしき周辺に参加店舗が集中している。今年は花川戸と呼ばれる東側までエリアが拡大し、過去最多となる113店舗が参加する。
同時開催も要チェック
「酔いの宵」では、スタンプラリーも同時開催される。
▼地図の裏のスタンプシート(応募用紙は切り取り済)
せんトラセットを楽しんだら、店舗でスタンプを1個押してもらう。スタンプ25個を1口として、限定グッズの抽選に応募できる。毎年恒例のオリジナルジョッキだけではなく、今回は浅草の人気鞄店「犬印鞄製作所」とコラボしたオリジナルポシェットも加わり、当選人数も倍の合計100人となった。
他にも浅草神社(三社様)では、期間中に「酔いの宵」とコラボした御朱印を頒布。また人力車サービスの東京力車では、期間中の午後7時~午後9時まで(営業終了は延長する可能性もあり)、せんトラセットとして、次の参加店まで乗せるサービスを提供する。観音裏周辺を回遊している人力車を見つけたら声をかけてみよう。
参加方法
参加方法はシンプルだ。参加店舗に足を運び、せんトラセットを頼むだけ。チケットの購入などは必要ない。地図兼スタンプシートと参加店舗の紹介が載った冊子は、最初の店舗で手渡される。
▼第4回の冊子と地図/スタンプシート
スタンプラリーへの応募方法は、25個のスタンプがたまったシートを、2025年2月13~28日までの応募期間中に、応募受付店に必要事項を記入して持ち込むだけ。切り取って持って行ってしまうと無効になってしまうので、必ずスタンプシートごと持ち込もう。
応募受付店は、ちゃこーる、焼酎処 乙、BISTRO山doux、愛媛料理 笑ひめ、酒処 雄、ホーム、串焼き居酒屋 福屋、たこ焼き居酒屋 taco44.、肉酒場ちりん、林檎やの10店舗。この中でワインが楽しめるのは、ちゃこーる、焼酎処 乙、BISTRO山doux、肉酒場ちりん、林檎やだ。
参加店舗と期間の歴史
今回は昨年と同様に17日間の開催となっているが、今までは下記のような開催だった。
第1回 2019年2月8日〜17日の10日間(66店舗参加)
第2回 2020年2月7日〜16日の10日間(77店舗参加)
2021年と2022年はコロナで休止
第3回 2023年2月3日〜26日の24日間(88店舗参加)
第4回 2024年2月5日〜21日の17日間(91店舗参加)
当初は10日間開催から始まったが、イベント後のアンケートで「短く感じるので長くしてほしい」との要望が、お店からだけでなく参加者からも多かったという。
そこで、2年間のコロナ期間を経て迎えた第3回は、24日間と大幅に期間が延びたが、イベント終了の翌日に体力的な限界を迎えて臨時休業するお店が続出してしまった。浅草観音裏「酔いの宵」実行委員会の方は、「自分自身イベントが無事終わった開放感から飲もうと近所を歩いたら、臨時休業の多さにビックリした記憶があります」と振り返っていた。そこで第4回から17日間にした結果、「ちょうどよかった」との感想が多数を占めたそうだ。
ちなみに第1回から第3回までの参加店数がゾロ目になっているのは、狙ったわけではなく、たまたまだったとのこと。
浅草住民が伝える!「酔いの宵」を楽しむコツ
年々参加店舗も参加人数も増えている「酔いの宵」。毎年楽しんでいる浅草在住の筆者が、過去の経験から感じた楽しむコツをご紹介したい。
●回るなら少人数で
観音裏は小さいお店が多く、カウンターしかないお店や「酔いの宵」用の席を限定しているお店も多い。効率よく回りたいなら、2人以下で参加するのがお薦めだ。筆者も含めて、女性の1人参加も珍しくはない。
●混雑を避ける
午後6時から午後9時ごろまでは混雑タイム。ワイン系の人気店は、遅い時間帯のバータイムに限定していることも多いので、ゆっくりスタートして夜の浅草を堪能してみるといいだろう。
●お店の下調べを
前述のように、お店によっては時間や食数を限定していることもあるので、事前に確認しておこう。また、期間中の臨時休業や貸切営業などによる時間変更などもあるので、気になるお店がある人は、お店のSNSや「酔いの宵」公式ホームページのお知らせを確認しよう。
●追加注文はお店による
「酔いの宵」のコンセプトは、行きつけのお店を見つけること。気に入ったお店を見つけたら、つい長居をしたくなってしまうが、追加注文を受け付けているかどうかはお店による。混雑時には料理提供から30分以内を目安に退店し、別の機会に再訪してゆっくり過ごすのもいいだろう。
●1000円札の用意を
「酔いの宵」の支払いは現金のみというお店も多い。1000円札を多めに用意しておこう。
●出会いを大切に
浅草はお店の人が他のお店を紹介してくれる文化があるので、店員さんに余裕があるようならお薦め店を聞いてみるのもいいだろう。また、料理が出てくるまでの待ち時間に、隣の人と情報交換をし合うのも「酔いの宵」でよく見る光景だ。
ぜひ、「酔いの宵」でお気に入りのお店と出会って、イベントが終わっても観音裏に戻ってきてほしい。
※次回の記事では、ワインを楽しめるお薦め店をいくつか紹介する。