ワインに興味を持ち始めた段階の方なら、ワインのことについて体系的に、できれば簡単に学んでみたいと思うのではないだろうか。
そんな人にオススメしたいインフォグラフィック「Red Wine Infographic: Everything You Need to Know about Red Wine」がこちらだ。
このインフォグラフィックを参考に、他にも複数の記事・書籍から役立つ情報を加えながら、世界各国の赤ワイン事情についてまとめていきたい。
イタリア:2000種類以上のぶどう品種! 土着品種を使用したワインづくりが盛ん
今回取り上げるのは、イタリアだ。イタリアは、年間の生産量・輸出量共に、フランスと毎年トップ争いを演じるほどワインづくりが盛んな国だ。
南北約1200kmにわたり北緯37~47度に位置する地理的条件、地中海沿岸地方ならではの気候、そしてワインづくりに適した土壌。この3拍子そろった条件が、イタリアワインを取扱量世界トップレベルに押し上げているのだ。
実は、イタリア国内では全20州でワインが醸造されている。このことからも、イタリアでどれだけワインが生活と根付いているのか、分かっていただけるのではないだろうか。
もっと言えば、イタリアで栽培されている醸造用ぶどうの品種は、赤白合わせて、なんと2000種以上。それだけ多種多彩なぶどう品種を生かし、地元固有の土着品種を使用したワインづくりが進められている点がイタリアワインの特徴だ。そのため、各地でバラエティーに富んだ個性豊かなワインが醸造されている。
イタリア赤ワインに共通する特徴は「チェリーに似た酸味・風味」
それだけ多種多様なイタリアでつくられるワインについて、共通する特徴と言えば、「チェリーに似た酸味と風味を持ち合わせていること」だろう。
チェリー似の酸味・風味がベースになって、いちご、プラム、ラズベリー、ブルーベリーなどの果実やチョコレートに似た味わいが加わってくる。
北部でつくられる赤ワインほど味わいは軽く、南部の赤ワインほど味わいの深みを感じることができる。その酸味はまろやかさを帯びているので、ワインに精通していない人にも飲みやすい仕上がりになっているのではないだろうか。
イタリア赤ワインに使われる代表的なぶどう品種
それでは数多くあるイタリアのぶどう品種の中から、イタリア赤ワインに使われる代表的なぶどうを紹介していきましょう。
『サンジョベーゼ』
この品種で造られるのが、イタリア中部トスカーナ州で代表的なキャンティ(キアンティ)だ。
トスカーナ州の州都は観光でも有名なフィレンツェ。キャンティはサンジョベーゼ種を使用した赤ワインで、果実味が口に広がり、年数を置かず若いうちから楽しめるワインだ。
『バルベーラ・ダスティ』『バルベーラ・ダルバ』
州都にトリノを擁するピエモンテ州。同州のアスティとアルバという街で主に栽培されているのがバルベーラ種だ。
バルベーラ種は、酸度が高くプラムの風味を持つ。ちなみに、ピエモンテとは「山の足」を意味しており、アルプスがこの州を囲むようにそびえている。
『プリミティーヴォ』
「長靴」のかかとの部分にあたるプーリア州を中心に栽培されている品種。アメリカのカリフォルニア州で栽培されているジンファンデルと同種だ。
酸味が強いのが特徴で、木イチゴの香りも持ち合わせた比較的力強さのあるワインができあがる。
『モンテプルチアーノ』
イタリア中央部アブルッツォ州で生産されている品種。このぶどうで作ったモンテプルチアーノ・ダブルッツォは、この土地を代表するワインだ。
ただし、品質と値段は下から上まで幅広く、良質なものは干したベリーやザクロの香りがある。渋みと酸味のバランスも抜群だ。
『コルヴィーナ』『ロンディナーラ』『モリナーラ』
これらは、イタリア北東部ヴェローナ州で栽培されているぶどう。3種を合わせて作られたワインが、街の名前から付けた「ヴァルポリチェッラ」。高品質なものは干したチェリーのようで、甘い香りを楽しめます。