さて、今回はボジョレーのワインを楽しみたい方に向けて、「このつくり手なら間違いない」と胸を張ってオススメできるつくり手を、有名生産者3軒、個性的な生産者3軒に分けてご紹介しよう。
もちろんこれ以外にも良質な生産者は多いが、あまり褒められない生産者もいるので注意してもらいたい。
プレゼントしたり、友人と楽しく飲んだりするのであれば、ぜひ「当たり」を選びたいところだ。購入前に、スマホで生産者を調べてみるのもいいかもしれない。
前者の有名生産者は、比較的メジャーなワインショップなどで手に入ることが多い。後者については販売店例を記しておくが、輸入元に問い合わせると確実だろう。
ボジョレーも安定。有名生産者
メゾン・ルロワ
ブルゴーニュトップのつくり手のひとつ、メゾン・ルロワ。ルロワのAOCボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーは「プリムール(一番酒)」と称される。ヌーヴォー向けの特別なワインをつくるのではなく、通常のボジョレー・ヴィラージュを醸造する過程で、フレッシュな風味のものをプリムールとしているのだ。多少の熟成も可能なしっかりとしたワインだ。
ドミニク・ローラン
「ブルゴーニュの天才」と称されるドミニク・ローランがつくるヌーヴォーは非常に人気が高く、予約の時点で売り切れてしまう販売店が多いほど。樹齢30年の古樹から収穫されるガメイは、ボジョレー定番の「マセラシオン・カルボニック製法」は用いず、通常どおり樽を使用することが最大のポイントだ。
ルイ・ジャド
ブルゴーニュの老舗中の老舗。ブルゴーニュ地方に広大な畑を所有し、ボジョレーにシャトー・デジャックというワイナリーを持っている。AOCボジョレー・ヴィラージュの名の下でヌーヴォーを出しているが、ルロワと同様にヌーヴォーではなく「プリムール」と表記されるので注意が必要。
By Kinden K – http://www.flickr.com/photos/kinden/2118064630/, CC 表示-継承 2.0, Link
1度は味わいたい! 個性派生産者
マルセル・ラピエール
自然派ワインの巨匠、マルセル・ラピエールのヌーヴォー。大規模な工場等で大量生産をする生産者が増える中、自然の恵みを大切に詰め込んだワインをつくっている。現在は息子のマチュ・ラピエールが醸造を手掛ける。
除草剤すら使わず土壌の酵母を大切にし、時間と手間をかけてワインをつくる。瓶詰めから数カ月たってもおいしく飲めるヌーヴォーだ。楽天等で購入が可能。
クリストフ・パカレ
上記のマルセル・ラピエールを叔父に持ち、自然派の新星と言われるフィリップ・パカレの従兄弟にあたる自然派生産者。ボジョレーのガメイにこだわり、ムーラン・ナ・ヴァンやブルイィなども評判が良い。
樹齢の古いぶどうの木から丁寧に選果を重ね、醸造されるヌーヴォー。繊細ながらも華やかさと力強さを持ち、近年フランスで最も注目されているつくり手の1人だ。恵比寿のワイン店・トロワザムールなどで購入可能。
シャトー・ルー・デュモン
ブルゴーニュでワインづくりに携わる仲田晃司氏のワイナリーが2006年以降リリースしているボジョレー・ヌーヴォー。ヌーヴォーを手掛ける唯一の日本人だ。
樹齢70年以上の古樹から採れる完熟ガメイのみを使用。ドミニク・ローランと同様に樽熟成をしており、深みのある味わいを実現した。楽天等で購入が可能。
いかがだろうか。毎年楽しみにしているのに、「今年のヌーヴォーは最高だったね」と言ったことのないあなたへ。今年こそ、今までに味わったことのないヌーヴォーをどうぞ。