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カナダのナイアガラ地域で生産されるワインだけを利用して、数々の絵を生み出しているアーティストがいる。
それが彼女、Melissa Proudlockさんだ。
彼女がワインを使って生み出す味わいのある作品の数々と、ワインで絵を描く意外な理由を紹介したい。
アルゴンキン州立公園にある湖
使用品種:バコ・ノワール
ワインで描かれたワイン樽
使用品種:ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、バコ・ノワール
デヴィッド・ボウイ
使用品種:メルロー、アマローネ
ぶどうの房
使用品種:ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン
ショアライン
使用品種:水面はバコ・ノワール、ハスや陸地はメルロー、ピノ・ノワール
マルハナバチ
使用品種:花はガメイ、マルハナバチはシラー、背景や影はピノ・ノワール
こんなホラーな作品も
今年のハロウィンには、こんなホラーな作品も公開されている。ワインの複雑な赤味が、ホラー映画のキャラクターたちにぴったりだ。
使用品種:ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、バコ・ノワール、メルロー、アマローネ
品種によって変わる色
彼女の作品には、どのぶどう品種を使って描いたのかが記載されている。品種によって、色合いや風味は全く変わるようだ。
こちらの絵を見ると分かりやすいだろう。左はメルロー、真ん中はピノ・ノワール、右はバコ・ノワールが使われている。
完成までに20~30時間
ひとつの作品を完成させるのにかかる時間は、およそ20~30時間ほどだという。夜の楽しみの時間として、制作をしているそうだ。
それほどの時間がかかる理由は、彼女の制作工程を見るとよく分かる。
ワインは品種によって分けられ、冷蔵庫で保存されている
使うのは細い筆のみ
丁寧に色を重ねていく
ワインで絵を描く理由
なぜProudlockさんは、ワインにこだわって絵を描いているのだろうか。
実は彼女、グラフィックデザイナーとしてワイナリーで働いているのだそうだ。ワインに囲まれている職場なら、「ワインの色の違いを利用して絵を描こう」という発想にも納得だ。
また、彼女には色覚異常があり、赤と緑を判別しにくい。そのため普段から、自分のデザインしたものの色合いが正しいかどうか不安に感じているそうだ。しかし、ワインだけで描けば、色を間違えることがないのも魅力だと明かしている。