コラム

ワインテイスティングの方法――ラベル、コルクの臭い、ワインの色・香り・味わいをチェック

レストランやビストロでワインを頼んだとき、テイスティングを求められることがある。ハイクラスなレストランになると、ソムリエがテーブルで抜栓したワインをその場で確認してくれる場合もある。テイスティングは、「間違いのないクオリティのワインを提供しているかどうか」と確認する大切なプロセスなのだ。

劣化したワインではないことを確認する意味があるテイスティング。飲食店でも自宅でもスマートに対応できるように、テイスティングの方法を確認していこう。

ワインのテイスティング、まずはラベルの確認から

飲食店でワインを注文すると、「こちらのワインでよろしいですか?」といったようにラベルの確認を求められることがある。メニューを見て選んだワインと、提供されたワインが同一のものかどうか、しっかりと確認しよう。

Marqués de Alella Allier 2008 D.O. Alella

飲食店によっては、メニューの表記とラベルで目立つ文字とが異なっていることもある。たとえ同じワインでも、ヴィンテージが違っていると値段が大きく違ってしまうかもしれない。もしヴィンテージ違いのワインを注文していても、ボトルを見て「OK」と伝えてしまえば、予想外の金額を請求されて「間違っていました……」とは言い出しづらい。よく分からない場合は、スタッフの方に再確認をお願いしよう。

「ブショネ」でないか、コルクの匂いを嗅ごう

スクリューキャップなどでない限り、テイスティングで大切なのがコルクの匂いを確認することだ。

「ブショネ」と呼ばれるバクテリア劣化が進んでいた場合、コルクがカビ臭く変な匂いが漂ってくる。コルクの確認を求められたら、自分の鼻を信じて、おかしな匂いがしないか確認しよう。

Wine Not...

ただ、ヴィンテージを重ねた高級ワインは、通常とは異なるコルクの匂いがする。この場合は、コルクのみでワインの状態を捉えるのは非常に難しい。

注がれたワインの色を見よう

グラスにワインが注がれたら、ワインの色を観察してみよう。

照明の当たった白いテーブルクロスやナフキンの上で、グラスを少し傾けてみるとグラス縁の部分で色がよく分かる。あまり年数を重ねていないのに、液体がレンガ色のような枯れた色をしていたら要注意だ。

Brick

ワイン自体の香りを確認する

続いては、軽くグラスを回してワインの匂いを嗅いでみよう。

匂いというのは不思議なもので、両方の鼻の穴で嗅ぐより、片方で嗅いだ方がよく分かる。片方の鼻の穴がグラスから外れるように嗅ぎ、その後、両方の穴に匂いを漂わせるように、グラスを揺らして確認しよう。

Barolo D.O.C.G.

最後に味わいをチェック

最後に確認するのが、肝心の味わいだ。今までの段階で「あれ? どこかおかしいかも」と思うことがあっても、味わいに問題がなければそれでいい。ワインを少しだけ口に含み、舌の上で転がすように広げ、鼻から香りを抜くようにすると、全体像がよく分かる。

また、プロのテイスティングでは空気を口に含みながら、口の中でワインを転がすようにする。ワイン上級者を目指すのなら、あまり音がたたないように、できるようになっておきたい。

red wintery wine at Osteria Marco

以上がテイスティングの段取りだ。あまり1つのステップに時間をかけず、すべてをスムーズにできるようになっておくとスマートだろう。

飲食店で「これはおかしいかもしれない」「変な味がする」と感じた場合は、スタッフに一緒に確認してもらうといいだろう。

もし、ワインショップで買ってきたワインが劣化していそうなときは、ショップに持っていって店員に相談してみよう。

思ったより、劣化しているワインは多い。1本1本の状態を丁寧に確認して、劣化ワインで素敵なひとときを邪魔されないようにしたいものだ。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身