イタリアでつくられる最高級ワイン「アマローネ」をご存じだろうか。
イタリア最高峰のD.O.C.G.(保証付原産地統制名称)に分類される赤ワイン・アマローネは、王族や貴族しか味わうことができなかった時代もあるほど、希少かつ高級なワインだ。
イタリア語で「苦い(アマーロ)」という意味を含むアマローネは、トロリとした質感とチョコレートのような苦味、焦げたような独特の苦みを持つワインだ。
アマローネとは
アマローネは、多くの人が知っている「ロミオとジュリエット」の舞台、イタリア・ヴェネト州のヴェローナ近郊に位置するヴァルポリチェッラ地区でつくられている。
同地区で陰干し(パッシメント)したぶどうを使用してつくる伝統的なワインがアマローネと呼ばれている。
D.O.C.G.ワインであるアマローネは、陰干し期間、樽熟成期間、瓶熟成期間、イタリア固有品種であるコルヴィーナ・ヴェロネーゼ種、ロンディネッラ種、モリナーラ種の使用、最低アルコール度数など、多くの規定をクリアしていなければ「アマローネ」と名乗ることを許されない。
高級イタリアワイン、アマローネの価格は5000~1万円前後。当たり年のものになると数万円ほどになることもある。
手間と期間がかかるアマローネの醸造方法
アマローネが最高級のイタリアワインとなっているのには理由がある。ぶどうを陰干ししてから使用するため、水分が減って凝縮され、生産量が少ないのだ。そして、ワインが出来上がるまでに、非常に手間がかかる。
使用するぶどうは、ぶどうが十分に熟した10月ごろ、品種ごとに手摘みで収穫する。その後、一房ずつ丁寧にチェックして、熟していない実や傷んでいる実を取り除く。
厳選された実は、風通しの良い専用の部屋で陰干しする。陰干し期間はおよそ3~4カ月。その間、すのこ状の板の上に丁寧に並べられた実を毎日確認し、カビが生えていないかなどのチェックを怠らない。
陰干しが終了するころには、ぶどうの水分が40%ほど失われ、凝縮した濃厚な果汁を得ることができる。これを発酵させた後、樽で2年以上熟成させ、瓶詰めする。そして瓶詰め後、6カ月以上の瓶熟成を経て、ようやく世に送り出されるのだ。
アマローネを選ぶ上で、知っておきたいつくり手は?
アマローネを味わう上で、知っておきたい生産者は、アレグリーニ、ベルターニなどだ。
アレグリーニは、16世紀初頭に設立された家族経営の名門ワイナリー。世界最高峰とも評されるアマローネ「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」を生産している。
ベルターニは、1857年に設立されたワイナリー。収穫量よりも品質を優先し、創業当初から一貫して、垣根仕立てでぶどうを栽培している。陰干しを4カ月以上、熟成は、樽熟成と瓶熟成を合わせると7年以上にも及ぶ「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」を生産している。
味わい・香り・色のすべてにおいて濃厚で重厚なアマローネ。手間をかけてつくられた最高峰のワインを、たまには思い切って味わってみるものいいのではないだろうか。