「ワイン」と言えば、洋食やチーズ、そしてパンのある食卓を連想する人が多いだろう。
ワインと合わせて食べることが多いパン。日本でもワイン人気が高まっていることを受けて、「普通のパンよりも、もっとワインに合うパンがあると喜ばれるのではないか」と開発されたのが「信州ワインブレッド」だ。
信州ワインブレッドとは、どんなパンなのだろうか。信州ワインブレッド研究会事務局で信州ワインブレッド開発の一翼を担っている柄木田製粉の西脇 久朗 執行役員 兼 開発本部長に話を聞いてきた。
長野産小麦100%、NAGANO WINEを使ってつくられた「信州ワインブレッド」
――信州ワインブレッドを開発しようと考えたきっかけを教えてください。
NAGANO WINEが注目されるようになり、長野県の小麦を製粉している私どもも、NAGANO WINEとコラボレーションした商品を開発できないかと考えるようになりました。
そして2016年7月に信州ワインブレッド研究会を立ち上げまして、ワインに合うパンの開発に本腰を入れて取り組むようになりました。さらに信州ワインブレッド研究会は、長野県産農産物の魅力を発信していきます。
現在は研究会の会員数は41社。長野県の小麦生産者や製粉業者、ベーカリー、軽井沢プリンスホテル、ホテルメルパルクといったホテルなどにも会員になっていただいて、長野県と塩尻市にオブザーバーを務めていただいております。
――信州ワインブレッドとは、どんなものでしょう?
定義として、小麦は長野県産100%であること、そして長野県産のぶどうからつくったNAGANO WINEを使ったパンであることです。
ワインに合うパンが焼き上がるように、長野県内で生産されているさまざまな品種の小麦を私どもの方でブレンドして、会員のベーカリーに提供しています。そしてベーカリー各店に、オリジナルの信州ワインブレッドを考案してもらっているところです。
見た目はハード、中身はモッチリ
――信州ワインブレッド、どんな味わいなのでしょうか?
見た目の食感はハードそうなのですが、中身はモッチリとソフトな食感です。私どもの方でレシピを用意しているのですが、ハードな食感が好きな方もいれば、モッチリしたパンの方を好きな方もいますので、各ベーカリーさんがオリジナルな信州ワインブレッドを作り、販売していただいております。
長野県が開催するイベントなどに出品していますが、試食いただいた皆様からは「おいしい」と喜んでもらっています。会員のホテルなどでも宿泊客に提供してもらうようになってきましたが、着実に人気が出てきているようです。
――特に合わせて飲んでほしいおすすめワインは?
フルーティな赤ワインと合わせると一層おいしいという評価をいただいています。
――信州ワインブレッド、どこに行けば味わうことができるのでしょうか。
浅野屋 軽井沢旧道本店(長野県・北佐久郡軽井沢町)や、軽井沢プリンスホテル(同)、高原のパンやさんの本店と臼田店(同・南佐久郡小海町、佐久市)、Pain de Tonalite(同・茅野市)、太養パン店(同・諏訪市)、まる屋(同・東御市)、ホテルメルパルク長野(同・長野市)、麦の笑(同・上田市)で販売しています。
これからもっと、各店オリジナルの信州ワインブレッドが誕生して、人気が広まっていってほしいと願っています。
そして小麦の生産者やぶどうの生産者の皆様に、「皆様の作った小麦やぶどうを使って、こんな喜ばれる商品ができましたよ」と長野の小麦やぶどうの魅力を目に見える形で示してあげたいとも希望しています。