コラム

ニュージーランドを代表するワインメーカー「ヴィラマリア」とは ~ いち早くスクリューキャップを導入、オーガニック化を推進

ニュージーランドのワイン事情をお伝えする本シリーズ、今回は2011年に創業50周年を迎えたワインメーカー「ヴィラマリア」(Villa Maria)をご紹介します。

ヴィラマリアは、ニュージーランド国内はもちろん、世界中のワインコンペティションなども含めた数々の受賞歴を誇るワインメーカーです。

Villa Maria Winery

その受賞回数は、ニュージーランドのワイナリーとして最多とのこと。創業以来、家族経営を続けています。

現在は50カ国にワインを輸出。日本でも20種類近くのワインを2000~6500円程度で購入できます。

Villa Maria, choices, choices

クロアチアの文化を受け継ぐ創業者

ヴィラマリアは1961年、ニュージーランドワインの第一人者であったジョージ・フィストニッチ氏によって創業されました。

クロアチア移民の子であるジョージ・フィストニッチ氏にとって、ワインは身近なものだったそうです。

1969年にはニュージーランドのワイン業界で初めて女性を雇用し、1984年には品質向上のために業界で初めてぶどう栽培家を採用。2001年には「コルク不要」を宣言してスクリューキャップを採用するなど、ヴィラマリアは新しいことに挑戦し続けてきました。

A heavy night on the wine

たった5エーカーの土地を父親から借りて始めたヴィラマリアのワイン事業でしたが、順調に規模を拡大し、現在は北島のオークランド、ギズボーン、ホークスベイ、南島のマールボロの4カ所にぶどう畑を保有するようになりました。

ジョージ・フィストニッチ氏には2009年、ニュージーランドのワイン業界で初となる「ナイト」の称号が授与されました。このことからも、その功績の偉大さをご理解いただけるのではないでしょうか。

家族経営にこだわるからこそのオーガニック化

ヴィラマリアは創業以来、家族経営を守り続けている。次の世代に会社を受け渡したいからこそ、近年になって環境保全の一環としてオーガニック化に力を入れるようになりました。

また、オーガニックの認定を受けていないぶどう畑でも、極力、農薬の使用料を減らしているそうです。

Villa Maria Vineyard

日本で飲めるヴィラマリアの代表的なワイン

ニュージーランドらしい豊かなアロマに加えて、爽やかな果実味が楽しめるワインが多いヴィラマリア。比較的ドライなワインが多く、食事に合わせやすいのもうれしいところです。

そんなヴィラマリアのワインのうち、日本で手に入る主なワインは次のようになっています。

プライベート ビン

Villa Maria Private Bin Marlborough Sauvignon Blanc 2008

・ソーヴィニヨン・ブラン(参考価格:2000円)
※ニュージーランド国内でも最も人気の1本。
・ライトスパークリング ソーヴィニヨン・ブラン(参考価格:2100円)
・メルロー&カベルネ・ソーヴィニヨン(参考価格:2000円)

ほかにも、リースリング、シャルドネ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、シラー、ピノ・ノワールが日本に入ってきている。

セラーセレクション

Villa Maria Cellar Selection Sauvignon Blanc 2008

・ソーヴィニヨン・ブラン オーガニック(参考価格:3000円)
・メルロー&カベルネ・ソーヴィニヨン(参考価格:3000円)

ほかにも、シャルドネ、ピノ・ノワールがある。

リザーブ

Villa Maria, Sauvignon Blanc Wairau Valley Reserve, 2008

・マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン(参考価格:4000円)
・マールボロ シャルドネ(参考価格:4000円)
・Gimblett Gravels メルロー&カベルネ・ソーヴィニヨン(参考価格:4700円)
・マールボロ ピノ・ノワール(参考価格:6500円)

ヴィラマリアはどんなワインメーカーか、ポイントをお伝えしてきましたが、次週は実際にヴィラマリアのワイナリーを訪れてみた見学ツアーについてレポートします。

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ