ニュージーランドのワイン事情をお伝えする本シリーズ、今回は北島・オークランドからフェリーを使って30分強で行けるワイヘキ島のお話です。ワイヘキ島を代表するワイナリーの1つである「ケーブルベイ(Cable Bay)」のことをご紹介します。
ケーブルベイの歴史
ケーブルベイは、コストパフォーマンスの良さや確かな味わいで人気を博し、創業から20年ほどで、グローバルなワイナリーへと成長しました。
正式名称は「ケーブルベイ・ヴィンヤーズ」。オーストラリアやニュージーランドなどで20年以上の醸造経験を積んだニール・カリー氏を中心として、1996年にワイン愛好家たちによって創業されました。
ニューワールドのテクニックと、オールドワールドの手法をワインづくりに採り入れているところが特徴です。
ワイナリーの方針は「世界中のワイン愛好家を驚かせ、満足させ、興奮させる」こと。
2002年に初めて世に送り出したシャルドネは、ロンドンで開催された「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」にて金メダルに輝きました。
現在、カリー氏はすでに第一線を退いており、2015年のヴィンテージからはカリー氏の下で経験を積んだ女性醸造家のクロエ・サマーセット氏が醸造を手掛けるようになっています。
ニュージーランドのオーガニック認定「BioGro」を受け、ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールを中心に、オーガニックへと移行しているところだという。
ケーブルベイがつくるワインの特徴
ケーブルベイのぶどう畑は、ワイヘキ島と南島の北端に位置するマールボロの2カ所にあります。
ワイヘキ島では、温暖な気候と海から吹き付ける冷たい風、ジュラ紀の岩が混ざる粘土質の土壌で、ミネラルを含む水脈を利用し、主にシャルドネやボルドー系のぶどう品種を栽培しています。
一方、アワテレ川に面したマールボロの畑では、ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネを栽培しています。マールボロは太陽の日差しに恵まれていますが、海の影響により冷涼な気候の土地です。
ケーブルベイは品種に合った土地でぶどう栽培することにこだわっており、ぶどうの特徴をじっくりと感じられるワインをつくっています。アロマが豊かで、土地ごとのミネラルが風味に反映されているのも特徴と言えるでしょう。
日本で味わえるケーブルベイの主なワインとしては、マールボロ産のソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールなどがあります。
ケーブルベイ、ワイヘキ島のワイナリーに立ち寄るには?
ワイヘキ島にあるケーブルベイのワイナリーは、観光スポットとしても知られています。ワイヘキ島を巡るツアーには、ケーブルベイのワイナリー訪問を組み込んでいるものもありますから、ツアーを申し込む際に確認してみてください。
ケーブルベイのワイナリーに行くには、フェリーターミナルから歩いても30分ほど。ツアーに参加しなくても比較的立ち寄りやすい場所にあります。
レストランは、レストラン・オブ・ザ・イヤーなどを複数回受賞した知る人ぞ知るグルメスポット。爽快な景色とおいしい料理、そして料理によく合うワインを堪能できるおすすめの場所です。
この地で味わうなら、日本に入ってきていないワイヘキ島のワインを試してみてください。日本へのお土産にしても、喜ばれると思いますよ。